2016年4月27日 日立ハイテクの決算と中計~先憂後楽より潜在力発揮を

 

説明会17時半~18時半、宮崎社長、宇野CFOIR横井氏、堀内氏が出席、宇野氏が決算、宮崎社長が見通しも含め中計説明。

 

 実績は売上64006290億円、EBIT446482億円、NP334360億円は立派だが、今期の売上6600億円、EBIT397億円、NP315億円はいつもながら慎重だろう。

 

中計は慎重すぎないか

 

 2020年の中計も、コンセプト、社内に対するメッセージはよくわかったが、投資家に向けては、2020年の目標業績数字が、2018年度として既に達成しているEBITマージン率10%以上、ほぼ達成の配当性向30%などであり、やや、先憂後楽すぎ、投資家からも不満が出た。

 

 20162018年度の累計の投資戦略は、研究開発は30%増の800億円、設備投資は400億円、事業投資は300億円、また、事業成長は市場成長以上、EBITに占めるサービス事業の割合50%などのKPIもわかるが、それが、どういう数字に結び付けるかが不明確であった。

 

日立グループの中で求心力と遠心力

 

 事業別でも、バイオヘルスケアに最注力、社会・産業インフラは、コアとして強化、先端産業(SPE)は最先端に特化とあるが、日立グループ全体での位置づけがやや分かりにくい。

 

これは、日立ハイテクの問題というよりは、日立全体のグループ戦略が描き入れていないからだと感じた。日立グループの中で、時に、ヘルスケアをどうするか、横串的なIT、金融、商業の位置づけ、子会社のプロダクツ関連の貢献の在り方が、日立の前回の説明会では不明な点も多い。日立グループの中で、稀有な存在の商社機能をどう生かすかがわからない。