もし半デジ会議が無かったら

今回、日本の半導体政策は、これまでの「遅い小出し絵に描いた餅」と違うと、海外から驚かれているようだ。熊本のJASMの工場は建設が進んでいるし、先日、Rapidus千歳も鍬入れ式があった。報道での金額は巨額だが、遅々として進んでいない海外とは異なる。

 これらは、2019~2020年までの水面下の産官学の入念な議論を経て、2021年から、半デジ会議で決まったものだが、もし、それが無かったら、熊本や北海道の盛り上がりもない。熊本では、24兆円の経済効果と言われている。北海道はそれ以上だろう。さらに、今回、他の地方も、これで、もし、半導体が来て、データセンタも来たら、地元が活性化されると、希望や夢が持てるようになったようだ。

 教育面でも、地方毎に、各大学や高専などが連携している効果も大きい。これは、中期的に、日本の底上げになるだろう。今、50年前の1970年代に似ている。輸出立国なら可能である。

しかし、このチャンスを逃せば、次は戦後の混乱期並みだろう。食うにも困る時代だ。まさに、三流国への転落であり、既に起こっている海外への出稼ぎと観光しかない。1950年代のように、労働争議も勃発、混乱の時代だ。もちろん、G7どころかG20にも入れない。もはや、輸出立国にさえ戻れない。もう、既に、労働生産性や賃金では、韓国台湾以下だが、次は、ベトナムやタイ、そして、北朝鮮並みだ。

米国も見捨てるかもしれない。台湾やイスラエル、ウクライナは、国民の気概に加え、ハイテクシールド故でもある。観光だけの日本に、米が守る価値はない。近隣諸国が攻めてきても、どうしようもない。これは、まさに、1940年代後半である。当時は、若者がいて、気概もあった。しかし、老人と、気概も無い国民では、蹂躙されて終わりだろう。

 

半デジ会議無くば、真の最後の敗戦、亡国が待っている。