経営重心® ジャパンストライクゾーンエッセンス紹介


経営重心®は、これまでの伝統的なドメインの切り口ではなく、ビジネスサイクルとビジネスボリュームを切り口としてます。

それゆえ、定量化、演算操作、業界を超えた横比較が可能になります

経営重心®で総合電機のポートフォリオを切ってみると、より比較が明瞭になります。

真ん中の「ジャパンストライクゾーン」と呼ぶ日本が強い領域に、日立や三菱は多く、業績が好調です。

問題の東芝は真ん中が空で右上と左下によってます。

経営重心®がどのように推移したかもわかります。また広さも定量化できるので時系列比較、横比較が可能です。

 

東芝は大きく重心が動き、広さもどんどん拡大してます。

日立の例です。経営重心®の切り口だと絞り込みがよくわかります

NECの例です。経営重心®だと、ポーフォリオの変化が明瞭です。


「経営重心®」は、若林が長年、電機精密業界を分析する中で、発見し考え出した仮説、あるいは理論です。

 

 しかも、その切り口は、周期とボリューム(桁で表わしている)というシンプルなものです。シンプルだけに、発見に近いという印象なのです。

 

 もともと、日立は事業領域が広いとか、経営が遅い、とか言っていながら、定量的できていない、ことから、どうしたらいいか悩んできました。多くの人々が言っていることが後講釈であり、定量的な議論ではなく、あいまいな言葉であり、予測ができてません。

 

 この経営重心®は、そういう事業の広さ、などを定量化し、また、企業の個性・気質、を、事業のサイクルとボリュームの2軸で定量化しようというものです。

 

 経営重心®は、周期(年単位)をx軸、台数(これをlog化して桁数)をy軸とした時に、xy平面上に以下のように定義されます。

 

 経営重心®の定義:経営重心®(x、y)=Σ 売上構成比×(事業重心(固有周期、固有桁数))

  (売上加重平均)

  事業重心は、それぞれの事業の固有周期をx、固有桁数をyとおいた(x、y)です。

  これは事業の数だけあります。外部から分析する場合はセグメントの数です。

 

 固有周期は、その事業に固有な周期、ビジネスサイクルであり、スマホであれば、買い替えサイクル、事務機なら、リース期間などです。

 固有桁数は、その事業に固有な市場の台数をlog化したものです。

 

 文化の重心あるいは経営重心の不動点(これはまだ仮説の段階)は、経営重心の時間加重平均です。

 

  文化重心(x、y)=∫経営重心(固有周期、固有桁数)dt

 

その他の定義は以下です。

 

 経営速度=固有周期の売上加重平均

 

 事業の広さ=経営重心®から個々の事業重心の距離の売上加重平均

 

このように、経営重心®、事業重心、文化重心、などの定義は、定量的数学的なものであり、言葉で曖昧で表記していません。ただ、数式にアレルギーがある読者のために、その意味するところを、企業の個性、として、お見合いや進学などに例えたり、後述する意味づけのために、予兆的に記述してあります。

 

 大手電機や家電については、「経営重心®」の本で示すように検証できており、電子部品や機械、などにもケース、検証例を増やしているところであります。本書では紙幅の関係でケースが限定されてますが、ここで紹介していきたいと思っております。

 

 また、いろいろな製品や事業の韓国台湾との国際競争力もこれできれいに説明できます。曖昧な表現の経営用語である擦り合わせ、モジュールなども、経営重心®の要素である固有周期、固有桁数で、定量的に説明できます。

 

 計測できたことで、議論が客観的になり、広さ、速さ、だけでなく、密度、慣性モーメントなど、いろいろな量が計算でき、企業を、より多面的かつ定量的に把握できます。

 

 経営を工学のアナロジーで考えると、分析は計測、経営は制御であり、工学においては、計測と制御はペアです。そもそも、制御するためには、制御量が計測されていなければなりません。これまでは、それが定量化されていなかったのです。いわば、プラントにおいて、温度も圧力も、測らずに勘に頼っていたようなものです。

 

 計測できたとして、それがどう制御されるかは、また別の議論ですが、ここでは、その可能性を示唆しております。また、ポートフォリオで最適設計という発想がありますが、経営をうまく設計するということも可能性が広がります。

 

 おかげさまで、電機精密メーカーの経営トップおよびそのOBをはじめ、研究所長の方々から高い評価を頂いておりますが、今後の課題として、他産業、特に、ソフト、素材といった業種あるいは国際比較なども必要であると考えます。

 この経営重心®の発想あるいは理論が、実際の経営の参考になりお役に立てれば幸いです。

  

  


経営重心®2.0、3.0へ展開中

 大手電機だけでなく、電子部品、精密、半導体製造装置、計測制御、機械などに展開。

 さらに、素材、ソフトにも展開中。


 マスコミや出版もこれで分析可能に。

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2015年9月5日マスコミ出版業界を経営重心手法で切る.doc
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日経記事2012年7月8日 日曜に考える創論.pdf
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日経2012年3月 苦境の電機・半導体、収益浮上の処方箋はプロの見方.pdf
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いくつかのコメント

電機業界の経営トップから、「ピケティ以上」、「事業のサイクルとボリュームのみで客観的に定量的に比較出来る・・これは凄い」、

学者から「創造的で、スケールの大きな労作、GEマトリクス以来」、技術経営を研究していたものとして、本書は非常に新しいアイディアに基づき書かれたものだと思う。様々な二次元座標のマトリックスがあるが、事業の距離や経営のコアを生産量の対数と製品サイクルから分析したものは初めて見た、その分析の結果が非常に的を得ている。これからの電機産業の在り方を問う、非常にインパクトがある著書だと感じる」

などとの評価を得ております。

 

Amazon書評でも

事業規模と事業サイクルを用いて経営の定量化を図るという視点の独創性と有効性に目から鱗が落ちたような気がしました」、「重心と定量化は、極めて説得力のある方法論とオリジナリティがある。読んでいて、なるほどと思う。エレクトロニクス企業の盛衰を共通の指標、経営重心を用いて分析しており、これがおもしろい。過去だけでなく、将来を見る視点としても参考になる。アナリストの経験にもとずいた深い洞察力で、シンプルな変数で経営の質的変化を解き明かす素晴らしい本」、「経済学の本にありがちな、あいまいな表現を用いず、定量的に経営の質的変化を解明しようとする姿勢は素晴らしい」、「説明されれば当たり前のことなのに、何故か誰一人こんな説明はしてくれなかった、電機業界と長く深く、かつ真摯に向きあってきた著者だからこそ得られた着想に敬意を表したい」、「これほど分かり易く、定量的に経営を語れる理論は少ないと思います。長年携帯関係に携わってきたものとして、非常に興味深く拝見させて頂きました」

など、高い評判であります。



Amazon書評の全部

AMAZON書評より



3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。

5つ星のうち 4.0 真実の探索における斬新さが素晴らしい。電機版「33年後のなんとなくクリスタル」だ, 2015/3/1
レビュー対象商品: 経営重心 (経営者新書) (新書)
経営重心という造語にも新味があるが、聞いてすぐイメージが湧くのは筆者ならではの感性と経験に裏打ちされた切り口があるからだと思う。大事なのは固有周期と固有桁数など、筆者独自の斬新な見解が随所に光る。しかも80年代からの電機業界の栄枯盛衰を踏まえ、その凋落の真意を突き詰めてゆく切り口も鮮やかで説得力がある。これは日本の電機業界の「33年後のなんとなくクリスタル」版である。業界関係者は必ず一読してみる価値がある。きっと大きな視点で参考になると思う
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6 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 経営重心という数値で企業の定性的な特徴を明確にした視点が斬新, 2015/2/28
投稿者 
レビュー対象商品: 経営重心 (経営者新書) (新書)
工学では計測と制御はペアである。本書は工学部出身で金融業界に身をおいた著者が、企業の定性面を工学的な視点で数値化しようとする。企業の個性を経営重心と呼び、その企業の事業規模と経営速度を数値で規定できることで、電機業界各社の変遷や戦略を説明する。経営の重心が企業文化であり、重心の異なる事業のM&Aは失敗する可能性が高いといったことを電機業界の事例で語る。

これまでなかった経営重心という概念で多くの事象が説明できる点が斬新である。
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6 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 独創的かつ普遍的な分析, 2015/3/2
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レビュー対象商品: 経営重心 (経営者新書) (新書)
事業規模と事業サイクルを用いて経営の定量化を図るという視点の独創性と有効性に目から鱗が落ちたような気がしました。電機業界だけではなく他の産業(素材や通信)にも適応できないか?楽しみが広がります。
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2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 骨太な一冊, 2015/4/13
レビュー対象商品: 経営重心 (経営者新書) (新書)
なかなかよい本ではないだろうか。
ヘッジファンド業界の中の人が発言することは好ましい。今後もどんどんこのような事例が出てくることを望む。

わか様の新たなチャレンジ、見ものである。
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5 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 初めて定量評価式を提示, 2015/2/26
レビュー対象商品: 経営重心 (経営者新書) (新書)
従来感覚で捉えられていた企業の立ち位置を定量的に示されるのは画期的。
過去を振り返るのみではなく 現在の自社、他社および方向性を捉えることができる。
現在経営に携わる方、企画に携わる方に広く参考になると思います。
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3 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 待ち望んでいた氏の新著は、期待を上回る内容, 2015/3/20
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レビュー対象商品: 経営重心 (経営者新書) (新書)
面白い。絶対に買いです。
電機業界の栄枯盛衰、企業経営論などに関心の深い方のうち99%の人は、十二分に満足できます。学生から経営者までお奨めできる本です。
こんなに内容の濃い本を800円で買えたことに大きな幸せと、多少の罪悪感を覚えました。これだけの知見が得られる書籍、0が1つ2つ多くついていても、私なら喜んで購入したでしょう。
内容は読んでのお楽しみということで、ネタバレしないように書きますが、企業分析における全く新しい切り口「経営重心」という発想の斬新さ、鋭さ、著者の創造的な発想力に、痺れ、畏敬の念を覚えました。
発想だけで終わらないのが、著者の著者たるゆえんであり、面倒なデータ収集と整理、そして独自の情報網を駆使して、自らの理論に基づいた分析対象企業の事業構造を見事に定量化しています。この辺は、名前だけは立派な理論を空虚に振りかざし、業界内部者からみたら、全くもってトンチンカンなことを言いまくっているだけの凡百の経営書とは一線を画すものです。
そして、この定量化したモデルを基にした、著者の企業間比較分析、時系列変化に対する考察は、この業界に足を突っ込んだことがある人間には、たまらない内容になっています。
タイトルだけを見ると、難しそうで、敷居が高そうで、手が伸びないという人も安心です。数十年も業界で揉まれたトップアナリストの書く文章は、極めて論理的で、分かりやすいので。この手のテーマの書籍としては、段違いに読みやすく、楽しめる構成になっています。
「アナリストが書いた本は買い!」という私の理論?の正しさを裏付ける一冊でもあります
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4 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 経営の動きをシンプルな変数で解き明かす実学書!, 2015/3/8
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アナリストの経験にもとずいた深い洞察力で、シンプルな変数で経営の質的変化を解き明かす素晴らしい本です。経済学の本にありがちな、あいまいな表現を用いず、定量的に経営の質的変化を解明しようとする姿勢は素晴らしいです。電機業界のみならず、他の産業にも応用できそうな考察だと思います。
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4 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 経営を独自の指標で定量的に語る, 2015/3/9
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オリジナリティがある。読んでいて、なるほどと思う。エレクトロニクス企業の盛衰を共通の指標、経営重心を用いて分析しており、これがおもしろい。過去だけでなく、将来を見る視点としても参考になる。業界関係者も投資家も学生も一読する価値があろう。
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3 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 経営重心(生産量と製品サイクル)という新しい切り口を示す, 2015/4/1
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10年以上前になるが、技術経営を研究していたものとして、本書は非常に新しいアイディアに基づき書かれたものだと思う。
様々な二次元座標のマトリックスがあるが、事業の距離や経営のコア(重心)を「生産量の対数」と「製品サイクル」から分析したものは初めて見た。
また、その分析の結果が非常に的を得ている。
これからの電機産業の在り方を問う、非常にインパクトがある著書だと感じる。
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5つ星のうち 5.0 本質を突いているからサイクルと個数の簡便な手法で企業分析できる, 2015/3/22
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レビュー対象商品: 経営重心 (経営者新書) (新書)
説明されれば当たり前のことなのに、何故か誰一人こんな説明はしてくれなかった。電機業界と長く深く、かつ真摯に向きあってきた著者だからこそ得られた着想に敬意を表したい。今後、電機業界に限らず、他業界へも<経営重心>による企業分析が浸透していくことを期待する。
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3 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 企業が事業ドメインをどこに広げるか大変参考になりました。, 2015/2/26
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電機メーカーでソニーなどがダメになった本当の理由が分かりました。M&Aや多角化の企業の相性も分かります。お見合いや進学に人間の個性が最も重要だと思いますが、企業の個性も客観的に評価できる点がとても参考になりました。
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3 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 アナリストとして一流の若様の最新作!, 2015/4/13
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すばらしい。その一言に尽きます。いまのアナリストや経営者は時間軸が短すぎる。若様の経営重心をしっかりと認識してくれれば、日本のためにも価値ある提言となるでしょう。
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4 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0 定義と論理がデタラメ, 2015/4/9
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レビュー対象商品: 経営重心 (経営者新書) (新書)
評者は企業や組織における「重心」に強い関心をもっている。
むさぼるように本書を読み漁った。しかし、他のレビューには違和感を覚えざるを得なかった。
さて、著者は工学専門であるというが、以下のように定義や論理が首尾一貫していない説明が目立った。

第1に、企業を擬人化して把握しようとする試み・考えには強く共鳴する。
しかし、一方で、「企業の個性をお見合いにたとえれば、相手の年収が業績、仕事内容が事業内容だ(若林, 2015, p. 30)。」と客観的なデータが重要であると言いながら、他方で、「例として出した男女の相性は、なかなか多元的で重層的、そして深淵である。あえて定量化は試みないほうがいいだろう。しかし、企業の提携や合併においては、ある程度定量化することで、成功確率も違ってくるのだ(若林, 2015, p. 31)。」と後退し、さらには、「われわれは他人を見る際、その人の性格や個性から、将来性や環境対応力、あるいは自分との相性を見極める(若林, 2015, p. 31)。」と極端に譲歩し、経営陣の主観的な側面の意義を強調している。はじめから最後まで、工学の強みを言い過ぎない方が印象が良かった。

第2に、「重心」なる用語の理論的な曖昧さである。
本書を貫く重要概念であるとすべての読者が期待すると思われるが、そうなっていない。まず、経営の世界で「最適」なる形容は一般にタブーであるがそれは百歩譲るとして、「人間が人それぞれであるのと同様に、企業も、その歴史や事業領域に最適な経営スピードや事業ボリューム、事業領域の広さがあるのではないか。そして仮に、最適なスピードや事業ボリュームを『経営重心』と呼ぶとすれば、その重心と軸から大きくずれないことが、経営において重要ではないだろうか。これは、人がその個性や気質と外れた行動や生き方をすると道を外すのと同様である(若林, 2015, p. 35)。」としている。次に、「経営重心は、経営と事業の相互作用で決まっていくものであり、それによって、人事制度や組織体制、設計開発生産体制、マーケティング、サプライチェーンも定まってくるのではないだろうか(若林, 2015, p. 36)。」と説明する。

以上から、経営重心なる考え方は、市場・組織構造・技術などの多元的要素の適合関係、すなわちコンティンジェンシー・アプローチにかなり近い考え方であるようである。なぜなら、著者は「経営重心の不動点」なる概念を紹介しているからである。「企業にとって最も適しているラインが、本来あるべき不動点ともいえる『経営重心の不動点』で、その重心から外れると業績が悪化するようだ(若林, 2015, pp. 122-123)。」いま、経営を人・組織、事業を市場・技術、とそれぞれ受け止めるとしても、前段の経営重心の説明とはほど遠い。

第3に、上記でみた「経営重心」のほかに、本書には、「文化(重心)」、「事業の重心」、というように、複数の「重心」が登場する。
図表34「技術の適合性(若林, 2015, p. 149)」において、基盤技術の土台として「文化(重心)」を置いているが、その定義は不明である。また、唐突に、「事業の重心」なる用語が登場する。「ある特定の事業のM&Aの場合は、経営重心と対象となる事業の重心との距離から計算する。(中略)定量化された距離が近いほうが、成功する確率が高いと考えられる(若林, 2015, p. 150)。」

第4に、以下は第1で紹介した「経営重心」の定義と完全に矛盾する記述である。
「もともと東芝は、『マツダのランプ』で有名だった東京電気と、重電の芝浦製作所が統合されてできた企業だ。『ランプ』ゆえにデバイス事業が主流であり、真空管やブラウン管など電子管事業から半導体や液晶が生まれた。それゆえ、デバイス事業において時代時代で製品は移り変わっても、2つの重心の一極であり、そのままのポートフォリオであった。また、そういう文化と、異なる事業をうまくコントロールする知恵やノウハウが蓄積されていたのであろう(若林, 2015, pp. 183-184)。」

つまり、複数事業の(速度と取扱量から導かれる値)の加重平均が経営重心であるなら、経営重心は定義上、その企業に1つしか存在し得ないはずである。にもかかわらず、ここで、2つの重心の存在例を紹介している。合併前から引きずっている重心がそれぞれあるケースを認めるのなら、本書のはじめに、そう言うべきである。本書のあちこちで、定量分析、客観性、測定、制御を強調しているので、そのぶんだけ論証から迫力が失われてしまっている。

第5に、企業を擬人化するのであれば、お見合いの例を途中でやめずに、極端な例でもよいので最後まで論じてみてほしかった。
なぜなら、経営学は、社会科学の一領域を構成しているのみならず、教養としての豊かな内容をもっている、評者はそう信じているからである。
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5 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 企業のポートフォリオの選択に役立つ, 2015/2/26
レビュー対象商品: 経営重心 (経営者新書) (新書)
長年にわたって経営に携わってきた著者の経営から指摘される、主要電気メーカーの分析は非常に参考になる
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2 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 経営を分析(計測)して、マネジメント(制御)するという言葉, 2015/3/12
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ユニークな計測制御メーカーに籍を置き、IRという立場にいると、余計に心に響く言葉でした。やはり計測なくして、制御はできません。
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4 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 運用に携わる者には非常に参考になる, 2015/2/26
レビュー対象商品: 経営重心 (経営者新書) (新書)
野村総研の元トップアナリストかつ元ヘッジファンドマネージャーとしての経験を踏まえた鋭い洞察と分析がちりばめられており、運用業務に携わる者には非常に参考になる一冊!
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4 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 トップアナリストと、ヘッジファンドの経験, 2015/2/26
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30年におよぶ電機アナリストとしての経験にもとづく実証研究に裏打ちされている。


ドメインに関する先行研究


ドメインに関する先行研究

企業ドメインについては、榊原が指摘しているように、それ自体について網羅している例は、意外に、少ない。多角化とパフォーマンスについては、かなり多くの先行研究があるが、結論は収束していない。企業文化、風土についても数多くの研究があるが、多くは一般的な経営論、メセナなどであり、戦略やドメインと関連したものはそれほど多くない。経営スピードについては、それ自体をテーマにしたものは少ない。業界構造については、製品アーキテクチャと水平垂直との関係など最近、多くの優れた研究が、電機業界を例にして、成されている。
事業の定義の重要性は、既にドラッガーや、レビットの古典的論文「マーケティング近視眼」によって指摘されてきた。アンソフは、製品とミッションについ、既存と新規の二次元マトリックスで、定義した、しかし、エーベルは、これらの定義では、市場の変化に対応できず、境界をどう考えるか、などの点で不十分であり、「事業の定義」において、製品(顧客機能)、顧客(層)、技術(代替技術)という三次元モデルを呈示、IBMのコンピュータなどの事例で検証した。また、新しく多角化を定義し、組織設計についても言及している。しかし、定量化は成されておらず、3つの軸には、量も方向もない(ハウフドルフ空間ですらない)。
榊原は、「企業ドメインの戦略論」において、ドメインの構成要素として、三つの次元をとりあげ、①空間の広がり(狭い 対 広い)、②時間の広がり(静的 対 動的)、③意味の広がり(特殊的 対 一般的)として、それが広すぎても、狭すぎてもよくない、としている、さらに、ドメインが、経営側とメンバーとのコンセンサス、企業と社会とのコンセンサスで決まっているとしている。
さらに、IBMの技術マップによるドメイン、ゼロックスの未来オフィスというドメインの失敗例、これに対し、日本はトップダウンよりは自然な流れでドメインがかわり成功する例が多いが、失敗例としてトヨタの住宅、また日本に珍しいトップダウンの例としてNECC&Cの事例をあげている。

 

ドメイン研究の問題点

しかし、これらの分析は榊原も述べているように、後講釈であり、そのドメインの最適性についてのロジックから予測可能性はない。また、広すぎず、狭すぎずといっても、あまりに曖昧である。
ドメインの定義に関連して、コア事業の範囲は重要であるが、コアと周辺の距離計測を試みた例としては、クリス・ズックがいる。ズックは、コアからの距離を、顧客、競合企業、インフラなど公式に従って数値化した。しかし、これはあくまで、主観的な数値化に過ぎず、大小関係があるだけで、単位もなく数学的演算不能である。
ドメインの定義や最適性が問題になるのは、多角化の場合であり、先行研究においては、多角化と関連して論じられる。ドメインに関する先行研究は、マーケティング、多角化に関して多く、米では50-60年代、日本では80年代が多い。当時は、鉄鋼や繊維などが成熟化して新しい成長領域を探索していたからである。
しかし、ドメインそのものに関する先行研究は少ない。榊原によれば、「ドメインの定義は、戦略決定の第一歩として、企業戦略を語る時には、必ず強調されるものである。しかしながら、奇妙なことに、ドメイン自体についてのまとまった本はほとんど存在していない」(企業ドメイン戦略論 あとがき)、また、「洞察力や想像力、あるいは構想力といったものがドメインの定義には必要であり、それは決して容易なことではない。その固有の難しさのために、ドメインの分析は企業戦略論のなかでは最も解明が遅れている問題でもある」(同)のである。


多角化とドメイン

多角化ということは、ドメインの転換、ないしは拡大であるから、多角化に関する先行研究においてどのようにドメインを定義しているかを見ると、多くが工業分類によるものである。Michael Gortは、1954年に行われたセンサス資料に元いて111社をとりあげ、多角化と統合に関する実証的研究を発表した(Diversification and Integration in American IndustryPrinceton Univ. Press1962)が、主要13業種の動向を調べた。また、Stanley S.Millerは、自動車部品中心に、第二次大戦後に多角化した10数社を調査、しかし、ドメインの議論はない。
日本では、 「日本企業の多角化戦略」において吉原・佐久間・伊丹・加護野が、118社について、特化率、垂直比率、関連比率の定量的尺度により、4人の判定により、7つのパターンに分類、そのメカニズム、成果、組織などについて詳細な分析を試みている。その後、荻原らが最近の事例についても同様の方法で追跡した。
多角化とパフォーマンスについては多くの研究があり、多角化と収益性の関係は、専業の方が収益高いなどの成果あり、多角化ディスカウントが指摘されるが、その結論は定まっておらず異なる結果となっているようだ。
これは、そもそも、多角化の定義が、間違っている、あるいは曖昧だからではないか。米においては工業分類、日本では企業のセグメントである。セグメントは、変更されることが多く、企業毎に定義がことなる。ある企業では多角化でも、別の企業では単一となる。また、そもそも、製品の種類で多角化のドメインを決めているが、同一製品でも、価格帯や、顧客を変えた場合は、多角化とはいえないか。また、産業構造が変わるなかで、従来の区分では、わからない。いわば、これまでの多角化は、xy次元だけの議論であり、他の軸が必要である。さらに、製品分類でも、それぞれの分類を同一に扱っているが、電機から機械への多角化と、電機からバイオへの多角化とは、おそらく度合いが異なるが、これは無視されてしまう、
・さらに、これまでは、xy軸だけでドメイン、多角化を考えていたが、業界構造が変わる中で、軸(ベクトル)を導入することが必要である。これは、企業の本質の固有周期と固有桁数からなる重心であり、文化とも関係する。この重心を一定にすることは企業文化を維持し、コーポレト組織を正当化できる
経営スピードと企業文化
企業文化風土と、ドメイン、業種と、経営スピードの関係について、ディールとケネディは「シンボリックマネージャ」(城山訳)において、速さとリスクによって、企業を、①タフガイ・マッチョな文化、②よく働きよく遊ぶ文化、③会社を賭ける文化、④手続きの文化、の4つの類型にわけた。①では、建設、化粧品、コンサル、などの業界をあげ、スピードが速い、②では、不動産、コンピュータなどの業界をあげ、③では投資銀行、採鉱、精錬、石油などの業界をあげ、慎重な気風をあげ、④では、銀行、製薬、電力などをあげている。これから、経営風土の一つとして、経営スピードあるいは、固有サイクル、またボリューム感のようなことが指摘されている。しかし、類型分けのロジックは不明であり、また、経営スピードなども主観的な相対的なものである。
経営スピードについては、やや似た概念で、「組織の重さ」(沼上、軽部ら)で、詳細なアンケート調査により、組織の「重さ」と業績などとの相関など分析を試みている。画期的な研究であるが、事業内容との関連性は不明である。「重さ」と活動の遂行に必要な日数等の調査結果があり、主力商品のモデルチェンジで平均454日、新規事業開発で659日、撤退で420日となっており、日本企業の平均的な決断に要する期間は1年半から2年となっている。ただ、この論文では、経営スピードそのものが対象ではない。


業界構造、垂直統合、水平分業、擦り合わせ型、モジュラー型

垂直統合・水平分業など業界構造については、小川が「国際標準化と事業戦略」において、その変化がマイコンのアーキテクチャによってもたらされたことを指摘、製品の内部アーキテクチャとして擦り合わせ型・モジュラー型、標準化の形態として、クローズドスタンダード、オープンスタンダード、で4つの象限に分け、分析を試みた。企業では、シスコやノキアの戦略、製品ではDVDやデジカメなど詳細な事例がある。しかしながら、この論理から、三洋がEMSで成功する、太陽誘電の将来性などを予測しているが、全く外れており、最近のノキアの苦戦やアップルの事例については説明が難しい。さらに、また、同じマイコンが応用されている製品でも、事務機や、製造装置などBtoBの製品ではなぜ日本が優位なのか、についても説明が難しい。


関連分野の先行研究・先行文献レビュー

 

企業ドメインについては、榊原が指摘しているように、それ自体について網羅している例は、意外に、少ない。多角化とパフォーマンスについては、かなり多くの先行研究があるが、結論は収束していない。企業文化、風土についても数多くの研究があるが、多くは一般的な経営論、メセナなどであり、戦略やドメインと関連したものはそれほど多くない。経営スピードについては、それ自体をテーマにしたものは少ない。業界構造については、製品アーキテクチャと水平垂直との関係など最近、多くの優れた研究が、電機業界を例にして、成されている。

・事業の定義の重要性は、既にドラッガーや、レビットの古典的論文「マーケティング近視眼」によって指摘されてきた。アンソフは、製品とミッションについ、既存と新規の二次元マトリックスで、定義した、しかし、エーベルは、これらの定義では、市場の変化に対応できず、境界をどう考えるか、などの点で不十分であり、「事業の定義」において、製品(顧客機能)、顧客(層)、技術(代替技術)という三次元モデルを呈示、IBMのコンピュータなどの事例で検証した。また、新しく多角化を定義し、組織設計についても言及している。しかし、定量化は成されておらず、3つの軸には、量も方向もない(ハウフドルフ空間ですらない)。

・榊原は、「企業ドメインの戦略論」において、ドメインの構成要素として、三つの次元をとりあげ、①空間の広がり(狭い 対 広い)、②時間の広がり(静的 対 動的)、③意味の広がり(特殊的 対 一般的)として、それが広すぎても、狭すぎてもよくない、としている、さらに、ドメインが、経営側とメンバーとのコンセンサス、企業と社会とのコンセンサスで決まっているとしている。

・さらに、IBMの技術マップによるドメイン、ゼロックスの未来オフィスというドメインの失敗例、これに対し、日本はトップダウンよりは自然な流れでドメインがかわり成功する例が多いが、失敗例としてトヨタの住宅、また日本に珍しいトップダウンの例としてNECC&Cの事例をあげている。

・しかし、これらの分析は榊原も述べているように、後講釈であり、そのドメインの最適性についてのロジックから予測可能性はない。また、広すぎず、狭すぎずといっても、あまりに曖昧である。

・ドメインの定義に関連して、コア事業の範囲は重要であるが、コアと周辺の距離計測を試みた例としては、クリス・ズックがいる。ズックは、コアからの距離を、顧客、競合企業、インフラなど公式に従って数値化した。しかし、これはあくまで、主観的な数値化に過ぎず、大小関係があるだけで、単位もなく数学的演算不能である。

・ドメインの定義や最適性が問題になるのは、多角化の場合であり、先行研究においては、多角化と関連して論じられる。ドメインに関する先行研究は、マーケティング、多角化に関して多く、米では50-60年代、日本では80年代が多い。当時は、鉄鋼や繊維などが成熟化して新しい成長領域を探索していたからである。

・しかし、ドメインそのものに関する先行研究は少ない。榊原によれば、「ドメインの定義は、戦略決定の第一歩として、企業戦略を語る時には、必ず強調されるものである。しかしながら、奇妙なことに、ドメイン自体についてのまとまった本はほとんど存在していない」(企業ドメイン戦略論 あとがき)、また、「洞察力や想像力、あるいは構想力といったものがドメインの定義には必要であり、それは決して容易なことではない。その固有の難しさのために、ドメインの分析は企業戦略論のなかでは最も解明が遅れている問題でもある」(同)のである。

・多角化ということは、ドメインの転換、ないしは拡大であるから、多角化に関する先行研究においてどのようにドメインを定義しているかを見ると、多くが工業分類によるものである。Michael Gortは、1954年に行われたセンサス資料に元ずいて111社をとりあげ、多角化と統合に関する実証的研究を発表した(Diversification and Integration in American IndustryPrinceton Univ. Press1962)が、主要13業種の動向を調べた。また、Stanley S.Millerは、自動車部品中心に、第二次大戦後に多角化した10数社を調査、しかし、ドメインの議論はない。

・日本では、 「日本企業の多角化戦略」において吉原・佐久間・伊丹・加護野が、118社について、特化率、垂直比率、関連比率の定量的尺度により、4人の判定により、7つのパターンに分類、そのメカニズム、成果、組織などについて詳細な分析を試みている。その後、荻原らが最近の事例についても同様の方法で追跡した。

・多角化とパフォーマンスについては多くの研究があり、多角化と収益性の関係は、専業の方が収益高いなどの成果あり、多角化ディスカウントが指摘されるが、その結論は定まっておらず異なる結果となっているようだ。

・これは、そもそも、多角化の定義が、間違っている、あるいは曖昧だからではないか。米においては工業分類、日本では企業のセグメントである。セグメントは、変更されることが多く、企業毎に定義がことなる。ある企業では多角化でも、別の企業では単一となる。また、そもそも、製品の種類で多角化のドメインを決めているが、同一製品でも、価格帯や、顧客を変えた場合は、多角化とはいえないか。また、産業構造が変わるなかで、従来の区分では、わからない。いわば、これまでの多角化は、xy次元だけの議論であり、他の軸が必要である。さらに、製品分類でも、それぞれの分類を同一に扱っているが、電機から機械への多角化と、電機からバイオへの多角化とは、おそらく度合いが異なるが、これは無視されてしまう、

・さらに、これまでは、xy軸だけでドメイン、多角化を考えていたが、業界構造が変わる中で、z軸(ベクトル)を導入することが必要である。これは、企業の本質の固有周期と固有桁数からなる重心であり、文化とも関係する。この重心を一定にすることは企業文化を維持し、コーポレト組織を正当化できる。

・企業文化風土と、ドメイン、業種と、経営スピードの関係について、ディールとケネディは「シンボリックマネージャ」(城山訳)において、速さとリスクによって、企業を、①タフガイ・マッチョな文化、②よく働きよく遊ぶ文化、③会社を賭ける文化、④手続きの文化、の4つの類型にわけた。①では、建設、化粧品、コンサル、などの業界をあげ、スピードが速い、②では、不動産、コンピュータなどの業界をあげ、③では投資銀行、採鉱、精錬、石油などの業界をあげ、慎重な気風をあげ、④では、銀行、製薬、電力などをあげている。

これから、経営風土の一つとして、経営スピードあるいは、固有周期、またボリューム感のようなことが指摘されている。しかし、類型分けのロジックは不明であり、また、経営スピードなども主観的な相対的なものである。

・経営スピードについては、やや似た概念で、「組織の重さ」(沼上、軽部ら)で、詳細なアンケート調査により、組織の「重さ」と業績などとの相関など分析を試みている。画期的な研究であるが、事業内容との関連性は不明である。「重さ」と活動の遂行に必要な日数等の調査結果があり、主力商品のモデルチェンジで平均454日、新規事業開発で659日、撤退で420日となっており、日本企業の平均的な決断に要する期間は1年半から2年となっている。ただ、この論文では、経営スピードそのものが対象ではない。

・垂直統合・水平分業など業界構造については、小川が「国際標準化と事業戦略」において、その変化がマイコンのアーキテクチャによってもたらされたことを指摘、製品の内部アーキテクチャとして擦り合わせ型・モジュラー型、標準化の形態として、クローズドスタンダード、オープンスタンダード、で4つの象限に分け、分析を試みた。企業では、シスコやノキアの戦略、製品ではDVDやデジカメなど詳細な事例がある。しかしながら、この論理から、三洋がEMSで成功する、太陽誘電の将来性などを予測しているが、全く外れており、最近のノキアの苦戦やアップルの事例については説明が難しい。さらに、また、同じマイコンが応用されている製品でも、事務機や、製造装置などBtoBの製品ではなぜ日本が優位なのか、についても説明が難しい。

 

参考文献

・国際標準化と事業戦略(小川紘一)、

・モジュール化(青木昌彦、安藤晴彦)、

・イノベーションと競争優位(榊原、香山)

・現在の経営戦略(河野)、

・経営戦略論(石井、奥村、加護野、野中)、

・経営戦略論(マイケルポーター)、

・戦略経営論(石倉訳)

・経営の論理、新経営戦略の論理、よき経営者の姿、、経営の力学(伊丹)

・日本企業の多角化戦略(伊丹、加護野、吉原)、

・多角化戦略と経営組織(萩原)

・企業ドメインの戦略論(榊原)

・事業の定義(エーベル、石井訳)

・組織の重さ(沼上、軽部、加藤、田中、島本 日経新聞出版2007)

・市場と企業組織(OEウィリアム、浅沼訳)

・科学経営のための実践的MOT(ヒューゴチェルキー、亀岡訳)、

・日本の技術経営の意義あり(伊丹)、

・技術者のためのマネジメント入門(伊丹、森)、

MOTの達人(森、鶴島、伊丹)、

MOTの経営学(松島)、

・技術経営入門(藤末)

BCG戦略コンセプト(水越)、

・コア事業戦略論(クリスズック)

・企業戦略論(ジェイBバーニー)、

・次世代テクノロジーマネージメント(ジョージディ、ウォートンスクール)、

・イノベーションのジレンマ

・ビジョナルカンパニー(ジェームズコロンズ)

・技術革新と企業行動(岡本、若杉)、

・技術革新と経営戦略(土屋)、

・技術革新の計量分析(渡辺)、

・技術革新と企業成長(岩田)、

・先端技術と経済(藤井、菊池)、

・ソフトウェアの経営学(野口)、

・技術開発の昭和史(森谷)、

・本格研究(吉川)、

・技術予測(OECD)、

・技術予測論(中山)、

・技術予測入門(牧野)、

・科学研究のライフサイクル(山田)、

・研究開発の組織行動(岡本)

・中央研究所の終焉()、

・理科系冷遇社会(林)、

・科学技術大国中国の現実(伊佐)、

・中国の頭脳 清華大学と北京大学(紺野)、

・企業変革の技術マネジメント(山之内)、

・技術大国ニッポンの虚と実(土金)、

・科学技術史の裏通り(城坂)、

・イノベーションスタイル(クライン)

・イノベーションの普及(ロジャーズ)、

・イノベーションの源泉(Eフォンヒッペル)

・離脱発言忠誠(ハーシュマン)

・企業文化生き残りの指針(E.H.シャイン)

・企業文化(松村洋平)

・シンボリックマネジャ(Tディール、Aケネディ、城山三郎)

・企業文化論をまなぶために(梅沢正)

・企業戦略と企業文化(吉森)