ポスト「アベノミクス」時代の為替の行方

安倍総理が凶弾に倒れ、アベノミクスを支えた黒田日銀総裁も退任、安部派も「政治とカネを巡る問題」で混乱、政治空白の中で、比較的フリーハンドとなった、植田日銀の方向性に注目が集まる。

 日経新聞はポストアベノミクスを先取りしているかのようだ。私の履歴書では早々に退任したばかりの黒田前総裁を登場させたが異例だ。更に、20241月は元財務次官の武藤氏だ。開成から東大、大蔵省では、ノーパンしゃぶしゃぶ事件で辞任した長野氏や中島氏と同期、初代財務次官であり、日銀副総裁、白川氏と並んで総裁候補、大和総研理事長、東京オリンピック招致など話題が多く、アベノミクス総括、財政政策などについても注目される。関連して、松元崇元内閣府事務次官は経済教室に「積極財政で成長幻想を捨てよ」を寄稿。衰退途上国からの脱却 「積極財政で成長」幻想、捨てよ - 日本経済新聞 (nikkei.com)

 日経の匿名コラム大機小機は「終わりゆくアベノミクス」と題し、2024年は十二支の辰年で、過去に遡ると、ロッキード事件(1976年)、リクルート事件(1988年)が辰年として、24年もパーティー券「裏金」問題で、日銀が政策のフリーハンドを得たと指摘している。有識者も巻き込んだ審議の上「非伝統的金融政策は効果よりも副作用が大きい」という結論が出て、年後半には政策の正常化に向かい、24年は政治、金融の両面でアベノミクスが終わる年としている。終わりゆくアベノミクス - 日本経済新聞 (nikkei.com)

むしろ、アベノミクス終結を目的に、政治問題が取り沙汰されているのかもしれない。金融と政治、さらに、地政学も密接に関連している。

 

 そこで、もう一度、金利と為替の関係を整理したい。実は、「金利上昇=円高」という程、既に、簡単ではなくなっているのだ。