FEOLとBEOLを分離できるか~アプリケーションを想定して生産ラインを考える

今や、先端半導体の鍵はチップレットであり、ラピダスの場合は、短TATと絡めて、どう戦略を立て、エコシステムを形成するかだろう。そこで、短TAT効果を上げるために、チップレットで可能なノード別の並列生産が鍵となる。

 そこでは、製造が難しいGAA中心のFEOLと、微細化がやや緩い配線工程が中心のBEOLを分けて、生産することが鍵であり、財務シミュレーションでは累損解消前倒しや投資効果の有効性を示した。そこでの問題点は、そうした並列生産を可能にするため、設計の負担がどこまで大きくなるか、である。

 

 最先端の半導体の設計経験が無いため、どの程度大変なのかの実感が難しいが、複数のプロから無理ではないが、難しい点も多そうではある。ただ、黒田忠弘教授は、チップレットのシンポジウムで、GAAFEOLを量産して作りだめの提案をしており、また、産総研のスーパーCRは、GAAだけを想定しており、実際の半導体生産には、BEOL工程の追加投資が必要になる。これは、FEOLBEOLを、分離生産できることを前提にしており、GAAEUVLだろうがNILだろうが、BEOLとは独立であり、GAAあるいはFEOLファウンドリ、BEOLファウンドリが成り立つことを示している。