2015年4月24日 シャープのその後と、液晶業界

連日の報道記事である。日経新聞によれば、メインバンク2行が支援で決定、また、中小型液晶に1400億円投資との記事が出ております。よく見ると、今後3年間累計の半分の1400億円で、当初は脱液晶を模索したが、当面は世界で需要が広がるスマホ向け中小型液晶に集中投資だそうだ。この設備投資については、これまでも記したように、シャープの工場は老朽化が進み、4k8k化、薄板化の対応ができず、当然の先行投資ではある。また、最終の17年度は営業利益1500億円を目指すとあり、先日の1800億円から後退したことになる。

さらに、今回はINCJの話も出ておらず勇み足か誤報の可能性が高くなってきたようにも思える。これについては、週間現代はアベノミクスの中での政治圧力説、週間ダイヤモンドは、シャープ側の勝手なリーク説だとしているが不明である。仮に、INCJのその気があっても、既に述べたように、利害相反や独占禁止法など極めて難しい。

 特に日経新聞は、ここのところ内容が二転三転しており、リークもあちこちからあるようで、結局は514日にならないとわからない。ただ、脱、液晶では成長シナリオが描けなかったのか、複数あるコンサルタント、やアドバイザーの、いろいろな意見がでて煮詰まっていないのかもしれない。

 また、マスコミの間では、日本電産がシャープに出資、片山CTOが派遣される形でトップに復帰説があるが、考えすぎであり、説明会の永守CEOの雰囲気からもありえないだろう。シャープはじめ関係者に、オーナー系の大手部品メーカーなどに、出資の期待はあるし、クチもカネも出されるべきだとは思うが容易ではないだろう。

 決算に向けて、新たな不安要素もある。シャープは堺も含め、3月まではフル生産だったようだが、4月以降、各工場の稼働が落ちているようであり、かなり在庫を積んだのではないか、との指摘もある。14年度は赤字転落が濃厚なので、御化粧しても仕方がないはずだが、決算での在庫が怖いところである。

 他方、ジャパンディスプレイのトップ人事でも、憶測報道があり、大塚CEOが引き、有賀氏がCOOに昇格、また会長CEOに三洋電機出身の本間のようだ。順当なようだが、シャープがこういう時だけに、先日のルネサスのトップの前オムロン社長の作田氏の退任など、ついつい想像がたくましくなりがちである。