2015年5月19日 情報がない時ほど、不完全で少しの手掛かりでも有難い

 予定外の突発的な事故や事件が起こった場合、情報を発信する企業と情報を発信しない企業がある。今回の東芝は、やや遅かったにせよ、わかる範囲で、最大限の努力をして単独だけでも数字など情報を出したことは評価したい。おそらく、社内には、いろんな意見があり、もっと精査してから、とか、そこまで出すのは誤解を招くとか、反対もあったはずだ。しかし、時間軸と情報の精度は比例するのが当然だが、噂なども錯綜する中で、最低限のヒントはくれたように思う。もちろん、第三者委員会の報告で単独の数字も多少は修正されようし、全体は不明だが、0から何兆円だろうか、という話から、金額の期待値は、せいぜい数千億円くらいかという確率分布が、ロングテールはあるにせよイメージできる(最悪を考えると、ロングテールは、いくらでも、ありえるし、それはあらゆる可能性を考えると、また震災や富士山噴火が起こったからとかいうと全ての企業に共通する。また、それは、今回の事件以前にも存在はしていたリスクでもある)。つまり、先日の発表までは、リスクとしてさえ捉えられない不確実性だったのが、多少、確率統計分布を描けるリスクとして、把握できるようになったのではないか。

 震災などでも、デマは困るが、本当にほしいのは、不完全でも何かの手がかりであり、アナリストも、そういう時にこそ、ありうべきシナリオ、前提に基づく情報を提供すべきである。しかし、今回も、シャープであれ、東芝であれ、多くの証券会社は、不確実性が高いとして、投資判断を一時停止、情報発信をやめた。コンプラ的には理解はできるのだが、そういう時にこそ、情報発信をする工夫をすべきではないだろうか。多くは、ことが判明して、株価がさがってから、投資判断を下げ、ネガティブでした、といわれても、多くの投資家は困るだろうし、1年前に会社計画が強い時に再生だと強気だったのが水に落ちた犬を叩くが如くである。


もちろん、No sideの当方は、そういう時にこそ不完全でもありうべき前提のもとに情報を発信する。その後、状況や前提が変わった時には、速やかに訂正する。それが、オープンな時代には必要だと信じている。