2015年10月13日 シャープを巡る報道~産業革新機構が全社に出資

去る1010日の日経新聞に「産業革新機構がシャープ本体に出資検討」との記事が、また1013日ロイター報道で、取材に答える形で産業革新機構社長の勝又氏が「成長資金のニーズがあるなら投資方針に合致する範囲で相談は受けていく」と回答している。前者は発言者が不明だが、これまでからJDIと合体を模索していた幹部だろうと想像され、革新機構全体としては、是非も含めまだ詳細まで煮詰まっていない印象を受ける。これは政府や当局も同様かもしれない。もちろん、JDIも一枚岩ではなく、これまでも、何度か指摘しているように、最上層は、産業革新機構と同様、中堅は戸惑い、技術陣の一部は技術的補完からシャープの一部、例えば、亀山のIGZO(三重天理のIGZOではなく)なら賛成というように想像する。

 日経報道では、シャープの液晶事業の悪化が予想以上であり、むしろ本体に出資して、家電やTV、ソーラー等、他の事業でも他社との提携や再編を進め、JDIとの協業では、JOLEDとシャープの液晶事業の統合案もある模様だ。

 半年前にも、産業革新機構側かシャープ側かどこからのリークか不明だが、2000億円を液晶の分社会社に出資という報道があったが、当時、指摘したように、独禁法や利益相反の面で課題があり、その後、この話はフェイドアウトしていた。また、昨今もホンハイ、アップルから液晶事業に出資検討との報道があったが、半年前にやはり同様の、リークがあった。

 水面下での駆け引きは、マスコミへのアドバルーンを出しながら、相当ホットになっており、月末までには方向性が出ようが、まだ、予断を許さない。

 液晶だけでなく、本体に出資となった背景には、以下が考えられよう。