2015年11月1日 決算前半戦を終えて

10月末で電機精密の決算発表は前半戦を終えた。中国景気不安などが懸念されたが、中国懸念と思いきや、別の要因で下方修正されたものが多く、むしろ、その懸念はこれから顕在化し、中国景気の恩恵で隠されていた問題点が露出したというべきだろう。

 特に、ここ数年、優良企業として評価され、実際に好業績であった三菱電機、オムロン、エプソン等が、中国景気の影響ではない、個々のノンコア事業の要因で下方修正となったのは印象的である。他方、リストラ中のソニーなどはCMOSセンサーの追い風もあり、実力以上に好調。また、引き続き、村田は勢いを増しており、京セラ等、部品の中で一頭地を抜いてきた。以下、既に決算発表があり説明会があったものを中心に、コメントをする。M&Aの成否と、それも含め、事業ドメインの設定の仕方が鍵である。M&Aもしたが、従来の延長線の半導体装置に拘り、最高益に届かないのがTELとアドバンテスト、逆に、ドメインを広げ、M&Aもいいのが、日本電産、日東電工だろう。ドメイン設定は悪くないが、M&Aの成果が出ていないのが京セラ、キヤノン。