2015年11月7日 サンケン電気の決算と電子デバイス進化論

115日 16時半から説明会、前回から飯島氏から交替の新社長となった和田氏とCFO太田氏、IR村野氏などが出席。久しぶりの説明会参加。プレゼンの大半はその前のSUMCOに出席で聞けなかったが、最後の戦略は聞けた。質疑の時間が30分以上とってあったが、当初、誰も質問者がいなかったので、失礼承知で、仕方ないというか折角の機会にもったいないので質問した。幸いだった。私の後はせきを切ったように多くの質問が出た。セルサイド時代は数回程度しか訪問しなかったが、バイサイド時代は、かつて液晶調査で工場見学もしたCCFLメーカー光和電気を、97年に買収して関心があり、その後、液晶BL向けCCFLで注目したこともあり、年に数回、説明会に参加、個別IR訪問もできる限りしたので累積Inputは数十回程度。

電子デバイス進化論

このサンケン電気と、新電元、オリジン電気は、似たような起源と歴史、いずれもNTT関連で、トランジスタ、ダイオードメーカーとしての発展し、電源モジュールをコアとしながら、異なる発展推移をたどってきた。ロームや新日本無線も似ているが、ロームは電子部品からディスクリート、更にLSIへ。新日本無線は早期からアナログ、LSIへ、また村田や京セラは、電子部品あるいは半導体周辺向け部材に拘り、半導体そのものには参入しなかったが、ここ数年、無線モジュールの流れで村田はルネサスのPAを買収、京セラは、INCJで再生した日本インターを買収した。サンケン、新電元、オリジン電気では、いずれも、モジュール事業を強化した。サンケンは、米アレグロを買収、その後、光和電気を買収、BL向けCCFLを強化し、一時大成功をおさめた。しかし、モジュールでは、PMPSでも苦戦が続く。新電元は、二輪向けモジュールで大成功、またパワコン等も成功し、川下展開が成功。オリジン電気は装置にいくなど別の展開である。

多くのアナリストや学者は、優良大企業である村田などの分析に熱心だが、むしろ、こうした中堅企業の展開が興味をひかれる。こうした展開が必然か偶然か不明だが、厳しい競争の中で生き残りをかけて多様に発展した姿は、ダーウィンの進化論を想起させ、それゆえに、「電子デバイス進化論」と名づけ、今後、経営重心の視点から、分析検証を進めたい。

決算は業績下方修正だが中期での視点が重要

 決算自体は、上期は、売上830773億円、OP5729億円、NP33→1億円と下ブレ。通期は、売上17201620億円、OP13080億円、NP8025億円。

背景は、上期は、OA・産機の不振やPSでは通信向け電源や新エネ関連の低迷。通期では加えて、北米以外のクルマの減速、中国エアコン在庫調整が大きいようだ。当社が強い白物、産機が減速し、パワコンも当面厳しいだろう。

サンケンについてはプラスとマイナスの両面で中長期の視点で興味深い点が幾つかある。