2015年11月7日 SUMCOの決算で学ぶ半導体市況

11516時からSUMCOの説明会に参加、橋本社長によるウェハーから見た半導体業界分析と瀧井CFOによる決算説明。社長とIR・経営企画が作成の半導体業界資料と分析は大変勉強になる。

 12月決算なので1-3Q累計と年間の開示。累計では売上1819億円、OP255億円、NP157億円。2015年間計画は売上2344億円、OP285億円、NP172億円。3Qは売上589億円、OP72億円、4Q予想は売上525億円、OP30億円と、Q/Q11%減の60億円減収、40億円の減益。300mmの枚数では3Q4.9mil枚から4Q4.7mil枚と5%減なので、単価ダウンを5%程度見ていることになる。P/Lでコストアップのうち、半分は開発や労務費増だが、半分は修繕費。

市況の状況は1Q回復だろうが、価格影響はその後じわり

 橋本社長によると、300mm3Qに入り調整が予想以上。DRAMの低迷に加えロジックが、スマホ向けAPが厳しい。NANDはスマホの伸びは鈍化で8%程度だが容量拡大とデーターセンター向け拡大で堅調。200mmは車載がいいが民生でパワー系等が厳しく横ばい。今後は、300mmは、DRAMPC低迷で減速、NANDは同傾向で堅調、ロジックは調整続く。200mm3Qと同傾向。回復はCY20161Qがファンドリ次第だが期待。

300mmは、SUMCOは微減。エピを使うロジックのマイナスが大きいため。市場予想は2Q5.1mil/月から、3Q4.9mil枚程度、y/yではプラス。4Qは更に減速し、4.8mil枚はy/yでもマイナス。2Qでは繁忙で在庫が数日と異常であったため、3Q1週間の在庫に戻した。その分、需要は3Qが減だが、当然、稼働益としてはプラスである。4Qはその分も含めマイナスだが、通常通り定修に使う。

前期から価格値戻しが始まっていたが、足元が弱いので難しいようだ。ただ、4Q20161Qは、いい時に値戻しが決まっており、変わらない。交渉中は20162Qのところ。上位2社は稼働が埋まっているのでいいが下位が稼働を埋めるため値下げ傾向。その意味では、2015年はもう確定に近いだろが、2016年の業績に影響が出よう。このため、2016年増益は容易ではないだろうが、夏場に市況回復感があれば増益か。

質疑で、DRAMメーカーが値下がりの中で、なぜ稼働を落とさないのか、というのがあったが、キャッシュコスト割れまでは落さないのが通常であり、かつては在庫10ヵ月近いことさえあった。なお、上位メーカーDRAMからNANDへ切り替える動きもある。また、下位メーカーを叩く消耗戦もあるだろう。

中期見通し~大きな影響のクルマ、次世代車1台はスマホ10台分