2015年11月8日 GSユアサの上期決算説明会~新社長の村尾氏が初めてプレゼン

11515時より決算説明会。新社長に就任した村尾氏が前回は挨拶だけだったが、今回は初めてのプレゼンを行った。パナソニックから鉛電池のM&A直後であり、業績も若干の下方修正で注目されたが、決算発表日でセルサイド担当アナの参加が少なく、質問も当初誰も手を挙げなかったので質問した。

好印象な社長とプレゼンだが課題は山積

 村尾氏の印象だが、一生懸命に気合が入っており、質疑応答も丁寧で誠実であった。また、プレゼン資料も、セグメントの内訳など詳細になっており開示が改善したことも好かった。日本電池(GS)とユアサが2004年に統合して10年がたち、前任の依田社長は統合を成功させ、乾坤一擲のリチウムイオン電池(LiB)も多少遅れはしたが念願の赤字脱却を達成させそう。そういう意味では、村尾氏は、新生GSユアサ二代目でもあり初代とも言えるが、いい社長だろう。

 村尾氏の就任が前任と同じ10年かどうかは分からないが、期待することは、①早期に自動車用でLiBを黒字化、②そのコストで、産業用に転換し収益安定化を図る(鉛も同様にクルマでコスト力をつけ産業用で稼ぐのと同様)、③グローバル体制の整理と強化、であろう。このうち、②についてはそろそろのようだ。ただ、アジアの鉛電池工場増強やパナソニックのM&Aもあり、LiBにやや冷め、鉛電池に積極的なのが気になる。

他方、心配な点は、①M&Aが相次いでおりPMIも含めて大丈夫か、②中期でLiB市場が拡大することは間違いないが世界の強豪や中国新興企業等との体力任せの消耗戦が気がかりである。

TPPの影響について、地産地消ならいいが、特に中国からTPP関連国への輸出は、デメリットがあり、懸念されたが、中国からの輸出分はなく問題ないようだ。

なお、報道では、アジアで鉛蓄電池を増産しており、中国の鉛蓄電池は、現在は天津に2工場あるが、新工場を建て集約、また広東省でも増強、2014年の550万個から2015年は950万個、2018年に1200万個に拡大、シェアも9%から2015年には14%となっている。この他、ベトナムは20171300万個、インドネシアは1000万個、二輪は2900万個と増強している。

決算はやや下方修正

 決算は、上期は売上18001711億円、OP7068億円、NP4036億円とやや下ブレで着地。もともと減益でみていたためサプライズはないが要因は新車販売減や為替差損。持分法減もあった。

年間では、売上40003750億円、OP240210億円、NP130110億円へ下方修正。前提となる鉛価格は、2927万円、LME20001700$

セグメント別には、以下の通り。