日経が3社のPC統合を報じている。良い動きというか、当然だが10年遅い。ソニーがVAIOを別会社化した時に、そういう方向性はあったが、今回、富士通がリストラ案を出し、東芝も今回の件があり、予想はついた。いずれTVも同様だろう。ここまでひどくなってからという遅さが問題であり、まだ未来がもてる時にやるべきだ。
2005年に、みずほ証券をやめる時に卒業論文のつもりで総合電機レポートを書き、日立、NEC、パナで持ち株会社、東芝、富士通、ソニーで持ち株会社を作り、後者では、半導体デバイス、PCやTV、インフラ系をそれぞれ統合する案を出した。これは、2009年に出版した「日本の電機産業に未来はあるのか」(洋泉社)でも書いた。
以下が、10年前の提案である。基本は、社風で共通点がある日立、NEC、パナ(国の政策に協力的)、東芝、富士通、ソニー(独自路線)で、まとめ、量産効果がある、デバイスと端末系を集約するというものだが、同時にITインフラ系もやり、重電では日立と東芝を合体させる案であった。
2005年当時の再編案
この中では、半導体でのルネサス(当時既にDRAMでエルピーダはあった)や、液晶関連(東芝、日立、ソニー等)、東芝と富士通のHDDとケータイを交換して統合など実現したものもある。
当時は、経営重心の発想が確立されていなかったので、こういう発想になったが、今は、水平統合と垂直統合を事業の得失、経営重心によって分けるべきだと考えており、それが下の図である。
http://www.circle-cross.com/2015/12/02/2015年12月2日-2020年に向けての電機業界の再編は新水平統合/
今回の話は、図で、まさに、「水平分業に遅れてしまった」というところであり、TVやケータイ・スマホも急がないといけない。TVでは、東芝、ソニーに加え、この際、シャープも加わるべきだろう。スマホでは、富士通、NECにソニーがどうするか、である。TVには、本当はパナソニックも加わるべきだが、独自の動きになるだろう。また、遅きに失しないように、東電やアレバも含めた原発の統合、5Gに向けての通信のドコモの一部分も含めた水平統合を急ぐべきだろう。なお、白物はローカル色が強く、経営重心でもサイクルが異なり、05年当時の考えとは異なり、今は、垂直統合が向いていると考える。