2015年12月19日 東芝の巨額の純損失記事

 

㈱サークルクロスコーポレーション 主席アナリスト 若林秀樹

 

時事通信、日経新聞などで、東芝が巨額の純損失(数千億円、5000億円)との報道がなされている。

 

上期決算発表後に、普通に計算するとOP赤字500億、税前赤字1000億円。これにPCや家電の分社をするための減損やリストラを一気にするなら、OP2000-3000億円の赤字は驚きではない。ただ、特益も2000億円程度あるはずで、その辺をどうしたのかが不明、また繰税2000億円程度あり、これも落とせば、純損失は、4000-5000億円の赤字はいくことになる。

 

http://www.circle-cross.com/2015/11/08/2015117-東芝の上期決算-年間opは赤字の可能性/

 

 

 

既に報じられているPC統合に加え、TVのリストラ、白物家電も考えられているかもしれないし、POSも大きなリストラが必要であろう。

 

シャープのリストラと併せたアイデアもあるが、両社とも、あまり時間がないはずである。とりあえず、落とせるものを落とすべきだろう。

 

 

 

仮に、WHのリスクも考慮すれば、自己資本は極めて危機的状況になる。しかし、特設注意銘柄ゆえに、ファイナンスができないので以下が必須だろう。

 

  1. セミコン社上場、そのセミコン社に紫光、中国資本でもなんでも出資

  2. 原発は、分離し、公社、あるいは、INCJから出資。

  3. GEから出資。

 

来期も、スマホ景気は不透明な上、米利上げで新興国が厳しい。もし、OP赤字が続けば、WH減損リスクも考慮すれば、債務超過の危機さえ出てくる。

 

特に、来期は監査法人が変わる可能性もあり、注意が必要だ。

 

政府も、公的資金とかではなく、自由に外資と組むことを推奨すべきだろう。

 

 ただ、これで、ようやく話が前向きになり、健全な再成長に向け、また世界の半導体の再編を巻き込みながらリードしていける可能性に期待したい。