2015年12月20日 1年を振り返って

 

2015年は、新しい挑戦の年でした。1411月末に、㈱サークルクロスコーポレーションを設立、1月より活動を開始、皆様はじめ多くの方々の有形無形の御支援で何とか1年を終えました。

 

分析中心の活動は10年ぶりだが、性に合っているのか、まさに寝食を忘れるほどに没頭、かつてない全力投球、毎日17時間、睡眠食事の時間も惜しんで、人生最大の仕事量、かつ、質の面でも、かなり深堀もしていると自負している。日々の取材などを終え、深夜、書類に囲まれた部屋で分析をしつつ、メールで、皆様はじめ有識者と意見交換する時間は、この上ない幸福で充実した時間であり、そういう貴重なアドバイスを取り入れ、原稿やプレゼン資料を完成させ、またブログを完成したころには、ついつい朝の4時、5時となってしまうことが日常となった。翌朝始発の新幹線で出張も多く、そういう場合は、さすがに、この年で、少し健康に悪いので改めるつもりである。

 

 

 

No Side 中期中立中辛、経営重心®、企業の根っこ

 

No Side」の立場、「中期・中立・中辛」の視点を堅持し、2月に刊行した「経営重心」(幻冬舎)の理論により、電機業界を中心に「企業の根っこ」を分析、情報発信している。

 

昨今、Sell Sideアナリストの視点がどうしても短期主義、四半期業績の上ぶれ下ぶれに陥り短絡的表層的になり、初歩的なロボットでも書けるようなレポートが増える中で、ガバナンスコードの流れもあり、この立場、視点、企業の力を根っこで分析しようという「志」は、まことに正しかったと思う。

 

経営重心®は「ビジネス周期とビジネスボリュームにより企業の経営の広さ・速さを定量分析する」理論だが、ケースも50社以上集まり、電機だけでなく、他産業にも広げつつある。講演やプレゼンを通じて、また日々のメールで、多くの有識者と経営者重心や顧客重心など新しい軸も考案、また、これまでの周期軸で1年〰数十年だけでなく、1年以下、固有桁数でも、不加算の領域にも拡張し、経営重心2.03.0として発展させている。秋には、商標登録も完了した。企業の経営者や研究所長や、アナリスト、コンサルタント、一部のマスコミからも高い評価を受け、日経新聞書評に取上げられた。

 

ビジネス的にも会員数が着実に増え、経営重心コンサルも始まり、お陰様で 何とか月次で黒字になってきている。

 

 

 

Inputは質重視でその日のうちにできる限り消化

 

Input(説明会、テレコン、スモール、個別取材、会食懇談等の合計)は、約450(うち工場研究所見学13)だった。Inputは、セルサイド時代の最盛期は800回くらいあり、また500回くらいは常にあったので多くはないが、できる限り情報が新鮮なうちに内容を纏められるように、Inputを制御している。

 

また、Input、議論意見交換では、できる限り、たたき台の資料を用意、また相手の方のレベルがかなり高いが、加えて、メール等でのInputや考察・議論も多く、これがかなり高度で参考になる。

 

できる限りカバレッジ100社ほどの説明会に参加、Sell Sideがしない中期視点での本質的な質問をするよう心掛けている。研究所IRや、中堅企業では、他の参加者が質問をしないので、大半、全部の質問をする場合も多いが、これはこれで困ったことだ。

 

この場をかりて、IR始め関係者の皆様に深く感謝致します。

 

 

 

過去類を見ないOutput、月10万字のブログ以外にもプレゼン資料、広く深くユニーク

 

Outputでは、3月よりHPで、若様ブログを開始、累計250件、10万字/月で累計100万字となった。毎月一冊本を執筆しているペースである。もちろん、このブログは一部であり、レポートや、むしろプレゼン資料が付加価値は高いだろう。

 

雑誌新聞の寄稿引用は20件、TV出演は、NHKWBSなど6(うち2は生でスタジオ)、講演プレゼン20(一橋大、理科大、名商大、日経センターのほか、内外の大手証券会社で100人位の機関投資家向け講演、等)であった。株価コメントも投資判断もなく、経営重心やアナリストのあり方とうテーマだが、多くの機関投資家が関心を持っているようだ。講演は過去と比べても多い方だが、Sell Sideではないので、機関投資家向けプレゼンは多くないがニーズはあるようだ。TVや新聞引用は多い方である

 

また、10月からは、NewsPickshttps://newspicks.com/)で、100人(電機自動車業界で5人)のプロピッカーに選ばれ、月間数百のコメント、既にフォロワー2万以上。

 

 

 

ブログ内容は広範かつ長い時間軸、新規性があり深堀も

 

ブログの内容は、不祥事や業績不振でニュースも多かった東芝、シャープに関するものが多いが、アクセスが多く注目されたものとしては、研究所の分析(日立、NEC、富士通、三菱電、日本電産など)、工場見学(NEC九州海底ケーブル、富士通三重半導体、ニコン熊谷露光機、ディスコ呉製造装置、オムロン草津など、多くが工場の中の配置つき)がある。まだ紹介できていないのが、新日本無線川越、東芝メディカル那須、中立電機などであり、年内に何とかコメントしたい。

 

新技術の紹介として、Si発振器(SiTime)FPGA(アルテラに関連)、ハプティクス(Nidec、青電舎)5G動向、OLEDに関連してLTPO400ppiRGB蒸着などは、新規性が高く、他のメディアやアナリストレポート、専門誌でも例がなく、極めて注目された。特許公報という公開情報を駆使したNittoのロールtoパネルのレポートもよかっただろう。

 

また、夏頃の市況の変化動向も正しく見通せ、China Challenge、中国の紫光集団も関連して半導体業界再編なども、新聞や雑誌ではない情報であったと自負している。

 

大型株だけでなく、中小型株の決算説明会の紹介も、初めてレポートとなったものも多く、重宝されたようだ。

 

さらに、経営重心理論の発展や、関連して社長やCFOのあり方、アナリストやIR、セグメント開示などのあり方、中計と繰税、不祥事の考え方、INCJ評価、GPIFの損益動向も参考になっただろう。消えた会社の思い出、戦前の会社四季報、昭和30年代の大学難易度などもユニークだったろう。

 

 

 

No Sideでオープンイノベーション精神だからこそ情報が好循環で集積

 

質・量ともに、こうした情報発信ができた要因は、自身の30年に及ぶアナリストとしての経験実績とネットワーク、10年のファンドマネージャと社長の経験と苦労、より広く多様な視野、日々の長時間かつ集中できる仕事の環境に加え、やはりNo Sideの立場ゆえの信頼感、オープンイノベーションの精神が大きいだろうと思う。

 

それゆえ、情報がどんどん集積し、付加価値をつけて循環していくように思う。まさに、これは、サークルクロスの理念である。サークルは場であり、循環であり、輪であり、クロスは、情報の往来であり、付加価値の交換である。

 

 

 

昼間の現場確認、足で稼ぐ現実空間で得た情報・直感を、夜は、サイバー空間で世界中の有識者と、年代と立場を超え、情報意見を交換する場が、ここにある。それが、また、翌日の現実空間での顔を突き合わせての意見交換となっていく。こうした好循環こそが重要であり、他にはないものであろう。こういう精神と立場を重視し、ますます、情報発信をしていきたい。

 

引き続き、経営重心®理論の充実と発展に努め、No Sideの立場を堅持、短期主義に陥る株式市場やSell Sideアナリスト分析に警鐘を鳴らし、中期での多様な分析手法を提示しつつ、業界の発展に微力ながら貢献していきたい。

 

 

 

皆様の一層のご指導ご支援賜りますようお願い申し上げます。