TSMC最高益上ブレ、林檎の谷間を乗り越える
ファウンドリのTSMCの業績が回復鮮明だ。14日発表の2Q決算は、売上、利益とも、ガイダンスを超え最高益、Q/Qでもy/yでも8-9%増収、OPはQ/Q30%増、y/y19%増。http://www.tsmc.com/english/default.htm
日経新聞でも、アップル失速の谷を乗り越えたと評価している。CEOによれば、「今後5年は売上高、利益とも年率5~10%は成長。半分はスマートフォン(スマホ)が寄与」のようだ。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDX14H13_U6A710C1FFE000/
今後の鍵は、年末にも離陸する7nmや、南京新工場の立上げ、Info-WLP展開だろう。特に、Info-WLPで鍵になる後工程系技術は、前工程ほどの技術力はない。
TSMCと鴻海比較
日経新聞では、台湾の同じ受託生産ビジネスで、TSMCと鴻海を比較し、鴻海はじめEMSは、中国の人件費高騰に直面し、ビジネスモデルが曲がり角を迎え、株式市場の成長期待を高められないとしている。スマホ市場も、アップルも成熟期に入りつつあり、その意味では、鴻海にとっても、シャープの買収はテリーゴー氏の言うように二回目の創業であり、ブランド事業も含めた展開点であることは間違いない。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDX14H0G_U6A710C1FFE000/
記事にいくつかコメントも引用されているが、ここで、改めて、TSMCと鴻海を比較してみたい。
下記で需要なスマイルカーブ、3Dドメイン、経営重心®での違いに触れたい。
スマイルカーブ
スマイルカーブで、そもそもIDMでもデバイスは高付加価値、組立は劣位である。ましてEMSでは尚更だ。
三次元ドメインでの位置取り
垂直統合か水平分業かで議論になる、機能-形態-応用の3軸の3次元ドメインで考られる。
ファウンドリの条件
ファウンドリでは、これまではメモリー分野では、圧倒的にIDMが優位である。CMOSセンサーでは、ソニーの例からも、IDMが優位だ。アナログに関しては、WIN、AWSC、VIS、タワージャズがある。
経営重心®の視点
経営重心®からの視点では、デバイスのTSMCとセットの鴻海を単純に比較できないが、両社とも、スマホ依存という意味では、右上の「ジャパン・ボール・ゾーン」である。EMSの多くは、やや左下であり、「ジャパンストライクゾーン」に近く、逆に言えば、EMSにとっては、差別化がしにくい。OKIなどの日本型EMSは、ジャパンストライクゾーンの下方であり、競争領域が鴻海と大きく異なる。
駆動部分が多いと難しい
なお、EMSの中で、技術面から考察すると、設計生産も含めモノ作りで難しいのは、駆動部分が多く持ち運べるものである。