2016年8月4日 ニコンの1Q決算~静かな業績動向の中で大改革の胎動

 

 84日 1645分より、2016年度1Q決算説明会に参加。出席者は、牛田社長、岡CFO、経営企画の浜田氏、精機の馬立氏、映像の御給氏、経理財務の萩原氏、最初に新CFOの岡氏の紹介、ついで、岡CFOのプレゼン、今回は、足元の業績だけでなく、中期の半導体など質問が多く、内容も濃く18時近くまで。

 

CFOデビュー

 

CFOは、三菱銀行からユニオンバンクCEOを経て三菱UFJだが、M&A経験も豊富。なお、今回からFPD露光装置の海外向け販売取引の収益認識を、船積・顧客指定場所引き渡し基準から、据え付け完了基準に変更したが既に今期は織り込み済み、過去も遡及適用開示記載。IFRA2017年度末の有報からであり、期中の決算説明会での開示はないようだ。

 

上期は上方修正、下期は下方修正

 

 2016年度1Q業績は売上1693億円、OP149億円、NP114億円、円高影響はあったが、他社と異なり為替差損が大きく出なかったのは立派。1Qは実質的に、40億円程度のOP上ブレであり、その分だけ上期を上方修正。通期は、売上は下方、OP以下は不変。

 

円高と地震に翻弄される映像セグメント

 

 映像では、円高と熊本地震によるセンサー不足の影響が大きい。1Qは、CMOSセンサー在庫を使っての生産だったが、センサーの仕掛が予想以上に利用でき、上ブレ。

 

年末商戦に間に合うか

 

9月に在庫を積みたいところだが、CMOSセンサーは生産再開とはいえ、十分ではなく、サプライチェーン次第では、機会損失の可能性もあろう。センサー確保次第で年末商戦のリスクはあるが、仮にこの台数を維持できれば、ミックスも改善、下期のOPはもう少し出

 

精機事業では改革進むが

 

 精機では、足元FPDは好調、来期以降についての見方は不変。半導体では、IOT8inやレガシー機の需要が高まっているが、これまでの最先端志向から、こうした需要も刈り取っていく方針。

 

CFOの危機感

 

 CFOは、現状認識として、ニコンのブランド、商品力は素晴らしいが、コア事業の90%は成熟産業であり、かつボラが高く、社を取り巻く環境は厳しく、自ら変革が必要だとした。そういう意味では、IFRS導入を前に、割引率をどうポートフォリオ管理に適用するかも重要だろう。期間の差もあるが、精機もデジカメも、期間が短く、精機の割引率は高くデジカメは低いだろう。