8月5日16時~17時のSUMCO決算説明会に参加、質問もした。プレゼンは市場動向や戦略が橋本CEO、決算が瀧井COO、今回も橋本CEOが将来な半導体市場見通し及びウェハー市場動向について説明、大変参考になる。
ウェハー需給は3Qタイトへ
ウェハー市況については、12φは、エピウェハー(以下、EW)が、2Qがファンドリのスマホ向け在庫調整終了で回復、3Q見通しも上昇、値下げ沈静化、ポリッシュドウェハー(以下、PW)は、NANDがデーター・センター向けに安定成長で2Q、3Q共に強い。8φは、クルマはいいが民生が底打ち。例年季節的には1Qから2Qにかけ上昇で、1Qはy/yでマイナスだったが、今年はy/yで2Qはプラスであり、ウェハー各社は在庫をはいた模様だが、3Qはかなりタイトになりそうだ。
ここで不明なのは、デバイスメーカーの在庫と歩留まり、テストウェハー、ダミーウェハー、再生ウェハーの動向であり、需要が強くても、歩留まりが急に上昇、テストウェハーの投入が減っていれば問題ないことになる。
2017-2018年は慢性タイトか?
ウェハー投入は、会社側が指摘するように、微細化とのトレードオフであり、現在のように、ロジック、DRAM、NAND共に微細化が難航する場合には、ウェハー投入は増加傾向。また、会社側は、DRAMはビット需要増と微細化進展が同程度でウェハー投入は増えない。データー・センター向けの安定した需要に加え、スマホで複眼カメラなど搭載容量が増えビット需要が40%増で伸びるNANDが今後もウェハー増に貢献すると予測。NANDは2016年で150-160万枚/月から2018年で200万枚弱、DRAMが100枚毎強で微増ゆえ、2018年に、メモリーで300万枚を超える。スマホ向けの半導体全体では、150-160万枚/月で非メモリーが50万枚だが、NAND増で2018年には200万枚/月を超える。このため、2018-2018年には、年中、裏期でも慢性的に不足する可能性があると指摘した。
NAND需要はデーター・センター価格弾性効果次第
ただ、中期では、この論理でリスクがあるのは3D化であり、2D微細化が限界でも3Dで層数が増えれば、同じことであり、現在、2年で層数が2倍になっており、むしろ歩留まりさえ上がれば微細化より早いかもしれない。ビット単価に対する価格弾性効果が大きいので、2D方向も3D方向も多値化も限界となり、長期価格下落期待トレンドが変わった場合に、データー・センター需要がどうなるか次第だろう。
中国NANDは立ち上がらないと見ているようだ
中国では、XMCが紫光集団と統合、2018年以降に100万枚のキャパの工場を建設すると表明、影響を確認したが、ソーラー用ウェハーの話で30年間、中国はだめだった経緯から、NANDも立ち上がらないとコメントした。ウェハーについては、指摘の通りかもしれないが、デバイスについては、XMCや合肥プロジェクトの成否は、デバイスメーカーや装置メーカーでも議論が分かれるところ。
今回は不透明
少し前のクルマ向けのウェハーの試算や、テストウェハーの試算など、これまでは賛同できる内容が多かったが、今回は、NANDの見方、中国の見方でも、説得力が無かった。2016年の3Qのタイト化、2017-2018の慢性タイト化の可能性は同意するが、デバイスメーカーの歩留まり、在庫状況、テストウェハー使用状況次第ではリスクがあろう。