2016年9月7日 地球環境、直下地震、日本国債、岩崎通信機

 

近い将来、冷静に考えれば必ず起きそうだが、いつかが分からないものが、地球環境、首都圏の直下地震、日本国債暴落である。世界の英知が取り組んでいる地球環境問題は、素人目にも、じわじわ影響が出始めているようであり、地震も震度5程度は関東では珍しくない現状を示されれば、明日かもしれない。 

 

地震も地球環境など自然の問題は人間と時間軸が異なる

 

ただ、これらは、何れも専門家の学問のバックグラウンドの時間軸(経営重心®の固有周期)が人間の一生や生活感より長い。特に地球物理学者にとっては、数百年の予測レンジであり、地震現象の解明には、地殻変動などの東大地震研などのアプローチが不可欠であり、重要性を否定するものではない。

しかし、今日明日や今来週といった予測は、東海大等の電磁波利用(http://www.sems-tokaiuniv.jp/EPRCJ/profile.html)や注目しているJESEA(地震科学探査機構(http://www.jesea.co.jp/)などの方が有用だろう。

 

国債暴落説はディスクロージャーの問題

 

日本国債暴落も、学者、エコノミスト、ファンド、役所を始め、だいぶ前から指摘されているが、いっこうに、気配がないどころか堅調である。日本の財政が以前より悪化しているのは理解するが、高橋洋一氏も以前から指摘するように(http://twilog.org/YoichiTakahashi)、実際にそんな借金はなく、財務省も外国人投資家向けには日本国債の安全性をアッピールしているらしい。氏の直近の「日本はこの先どうなるのか(幻冬舎 高橋洋一 2016/8/10)でも「2014年度の借金(純債務)1013兆円、負債1172兆円、は言わば単体ベースのB/Sであり、連結では100兆円」だと指摘している。

 

ただ、ここでの注意事項は、このB/Sが言わば日本基準でありIFRSのようなベースではないということだ。マクロ経済は専門外なので分からないが、例えば、簿外債務に相当する年金負債等はどこまで織り込まれているか不明だし、そもそも、割引率次第でも変わる。さらに原発事故問題やINCJ等の含み損なども不明である。

 

岩崎通信機の不思議

 

マクロや政策はさておき、ミクロで企業を見るアナリストとして30年間の最大の不思議の一つは岩崎通信機である。NRI30年弱前に3年程度だが担当し、毎年数回、また、みずほ証券時代に部下に担当してもらい、一緒に行ったことも含めて、累積では10回以上はINPUTしたし、レポートを書いたこともある会社だ。1938年の創業、戦前既に上場しており、四季報にも掲載されている(戦後の上場は1957)。最高益は1983年度であり、電電ファミリーの一角として、当時は画期的と注目されたボタン電話で、OP101億円を計上した。

 

しかし、電電公社自由化の中で業績は悪化、担当していた80年代後半以降は、苦難の歴史であり倒産はともかく、買収か統合などで消えていくのではないか、と思っていた。

 

過去30年で売上1/3OPは殆ど赤字

 

最初に担当してから10年強のブランクを経て、2004年に訪問したが、ほぼ同じであることに驚いた。

 

80周年に向けSCRUM80

 

2018年に創業80周年を迎えるが、これに向け中計「SCRUM80」を策定、2018年度に売上260億円、OP5億円を目指す。

 

電電ファミリーの行末

 

この30年厳しいのは、この岩通だけではない。実際、67番台前半の電電ファミリー系企業では、いろいろな背景はあるにせよ、6705日通工、6708東洋通信機、6710大興電機、6711高見沢電機、6712田村電機(なお、田村電機は大興電機と統合、田村大興となった後、6675サクサホールディングとなった)6714神田通信工業、6717富士通電装、と17社中7社が四季報から名前が消えたその意味では、岩通は、NTT等の有形無形の支援はあっただろうが、独立系で何とか立派に生き残ってきたことは驚くべきことである。

 

究極のガラパゴス戦略

 

これが未上場であれば、老舗として立派だといえようが、上場企業としては、潰れなかったからいいというわけではないだろう。