2016年11月1日 シャープの決算説明会~戴社長が登場

 

11118時半より1915分までの説明会に参加して最初に質問もした。戴社長が初登場、これまでと異なり、会場はシャープ本社ではなく、コンファレンススクエア、司会はIRではなく、橋本社長室長。プレゼンは野村CFO30分弱、質疑時間が短い。

 

通常ならともかく、戴社長も初登場、はじめて通期の見通しも出し、鴻海とのシナジー効果も開示される等、IR資料は非常に改善されているのだから、こういう場合は時間を延長、丁寧な対応をしてほしい。

 

組織再編でリステート

 

なお、今回から、組織再編で変化がある。ディスプレイデバイスの中に、TVセットが入り、パネルだけではない。そのため、過去分もリステートされていることに注意。これまでのコンシューマエレが、スマホ等中心のIOT通信と、白物家電中心に健康環境、そしてTVセットはディスプレイデバイスの中。また、電子デバイスもカメラモジュールが外出しで、半導体やLEDやセンサーなどになった。

 

戴社長の日本語での力強い回答

 

限られた時間と日本語が得意とはいえ、ネイティブでなく、IR説明会初登場の戴さんに遠慮して、このディスプレイの中のTVセットとパネル、更にはSDPの関係や在り方を聞いたが、他の多くは、OLED投資や鴻海との関係を聞いており、戴さんが大半をしっかり答えていた。堺での記者会見ではテリーゴー氏が中心で戴さんは静かだったが、力強い回答であった。

 

業績は上期OP黒字化達成

 

業績は1Qが売上4233億円、OP赤字35億円だったが、2Qは売上4962億円、OP黒字化、25億円、上期では、売上9196億円、OP0.7億円、NPSDPが持ち分法で200億円以上の赤字や天理等のリストラ費用もあり、赤字454億円。

 

セグメント別では、IOT通信が1Qから2Qへ増益、Opm6%から11%へ改善。健康環境は、横這いだがOpm10%弱を維持。ビジネスはやや減益、7.7%から6.4%Opm低下、海外が不振。カメラモジュールは赤字、電子デバイスもやや赤字。これは分離したばかりでもう少し様子を見るべきだろう。エネルギーは、1Qは材料の在庫処分などリストラ分があり赤字だが2Qは黒字化。

 

ディスプレイ改善が物足りない

 

ディスプレイは、1Q68億円の赤字だが、パネルが107億円、TVセットが40億円の黒字、から、2Q78億円の赤字。TVセットが中国の悪化からやや赤字、パネルは75億円の赤字だろうが、大型はトントン、赤字の殆どは中小型のようだ。

 

なお、在庫は全社でも、ディスプレイでも、Q/Qで横這い、1.32か月から1.22か月に減っており、適切だろう。

 

通期から来期

 

 下期は売上10803億円、OP256億円、RP157億円、NP36億円と完全な黒字化を計画。上下では、256億円の増益だが、販売増429億円、売価ダウン375億円、ミックス改善385億円の中に鴻海とのシナジー効果が99億円、サプライチェーン改善などで見込む。経費減は151億円。2017年度は、数字は非開示だが、通期でNP黒字化を目指す。ディスプレイの改善、鴻海のシナジー効果の本格化、これまで制限してきた広告宣伝費や開発投資も効果も出てこよう。

OLED

 

OLED投資に関しては、戴社長は慎重な姿勢を示したように感じた。

鴻海の期待はIOT

 

 鴻海が、シャープに関心をもち、出資したのは、もともとは、LCD狙いが大きかったと思われているし、実際、アップルの注文をとるために、そうだったろうが、今は、違う印象を持っているのではないか。

マネジメント

 

戴氏の鴻海副総裁でもあるという利益相反については、既に鴻海の役員辞任を宣言し、十分に認識しているようだ。

 

鴻海の明日

 

今後の鴻海の課題は、脱アップル、脱スマホ、脱EMSであろう。