2016年11月5日 NITTO(日東電工)2Q決算テレコン(10月31日実施)

 

NITTO2Q決算テレコンが1031日あった。いつも通り、説明は武内CFOIR板倉氏など。今回は業績下方修正もあり、トピックスは核酸医薬米2社買収に少しふれる程度。板倉氏からの数字開示。質疑では、オプト関係がやや多いが、核酸医薬に関するものも多かった。現在のカバレッジは、大半は化学素材アナリスト、電子部品アナリスト、医薬担当者はこれからだが、電子部品アナリストでは難しいだろう。日経報道でもまだ電子部品セクターとして村田等と並び比較されているが、違和感がある。

 

業績下方修正

 

 2Q業績は売上1865億円、OP175億円、NP135億円、q/qでは増収増益だが未達。上期としては、売上37003549億円、OP400292億円。セグメント別では、インダストリアルテープが売上16001489億円、OP150114億円、オプトロニクス売上19501934億円、OP200143億円、M&M売上300280億円、OP8083億円。要因は円高で30億円、テープではスマホ向け粘着テープの調整、オプトもスマホが後半は盛り返したが前半が厳しくmixも悪化。テープはやや意外だがOpm1Q7%から8%に改善はしている。オプトも、半導体設備投資旺盛でプロセス材料の貢献があったにせよ、1QOpm5%強から9%に戻した。なお、M&Mはビジネスモデルが異なるので単純比較はできないがOpm30%前後。

 

 通期は売上77007200億円、OP900700億円、NP700500億円、セグメント別では、インダストリアルテープが売上33003100億円、OP330280億円、オプトロニクス売上40903800億円、OP440340億円、M&M売上620600億円、OP170170億円。下期の下方修正要因は円高が60億円、その他、M&Mであり、テープ、オプトは、円高以外にはない。なお、OPの円高影響について、これまでは、1円で年間20億円としてきたが、24億円に増加、米が多くなったため。

 

景況感の認識

 

 下期の詳細については、明言を避けたが、偏光板は上下で微増だが為替次第とした。

 

2Qはまずまずだが、3Qが勝負

 

テープは今後に期待

 

通期から来期

 

 今回は、円高もあり、下方修正は、それほど驚きでもない。むしろ、まだ市況次第では、リスクもあるだろう。ただ、来期に向けて、OLED展開が重要だろう。

 

OLEDパネル向けでは、偏光フィルムは2枚から1枚に減るが、①反射防止の1/2λ高付加価値、②フレキ化でタッチパネルはアウトセル型フィルムで、フォースセンサー機能追加でITOフィルムが貢献、③フィルム接着剤、などチャンスはあろう。

 

影響試算更新

 

今回、OLED化による影響試算を更新した。

 

今回のケースでは、偏光板について、マイナスはそれほど大きくなく、ITOフィルムのプラス効果が大きい。むしろ、この価格前提次第である。タッチパネルでは日本写真印刷のキャパ動向や歩留まりも鍵を握る。更に、ITO以外のライバル技術も出てきており、安心はできない。