2016年11月10日 イノテックはμソフトバンクだろうか

 

11915時半~16時半の説明会に参加、質問もした。出席者は、澄田会長、小野社長、棚橋CFO。棚橋氏より業績について詳述、澄田会長が中期戦略、質疑は小野社長という分担。出席者は決算ピーク時にも関わらず30人程度と多い。通常は、数人の質問者だが今回は私が中心に質問。

 

決算は上期で通期に近い

 

 上期業績は売上150億円、OP8.2億円、NP5.7億円と好調、上ブレ傾向。テスターが大きく貢献したが、昨年と同様、上期に偏った。通期は売上295億円、OP8.5億円、NP6億円は不変で、ほぼ上期で年間を達成。CFOは下期減速リスクを示唆するが、流石に上ブレではないか。

 

 このところ、業績に占めるテスターの依存度が大きくなり、この動向に大きく左右されるのは、嬉しくもあろうが複雑な面もあろう。特に上期のテスター売上25億円の中で半分はCMOSセンサーであり、NANDはやや減、下期はCMOSセンサー減速のようだ。1Q2Qで全体の売上は横這い、テスターも横這いだが、2Qに利益が集中しているのは、2Qに採算のよいものが多かったため。

 

イノテックとは何者か

 

子会社群も概ね、好調で、事業転換も進んでいるが、一層、本体から、子会社を通じてM&Aが増えている。また、IoT自身の市場が広がっているから当然ではあるが、ドメインも、ITからインフラ、クルマ、農業にまで拡大している。元々、商社からスタートしたイノテックは、改めて一体何者なのだろうか。また、ベンチマーク、社内において、また社外から判断すべき指標は何を基準すべきだろうか。実は、規模は違うが、10年毎に業態を変え、M&Aやベンチャー投資も上手く成長して話題になっている会社がある、そう、ソフトバンクだ。イノテックは、ミニソフトバンク、いや小さいというよりμエレクトロニクスという意味でも、μソフトバンク、テックバンクと見做すべきかもしれない。

 

それぞれ、管理の在り方、評価の仕方は異なり、それぞれ子会社がベンチャー投資をする中で、経営トップの判断は、実際には数兆円規模のポートフォリオを見ているわけであり、相当に大変であろう。