2016年11月12日 新川の上期決算説明会

 

新川の決算説明会が11101715分〜1815分で開催され、参加し、質問もした。プレゼンは長野社長が業績動向、永田専務が商品戦略、質疑は、森氏も対応。アナ協の会議室だが、参加者は、そこそこ。配布の長野社長のプレゼン資料は簡単だが、スライドに詳しく、永田専務はスライドのみだが、詳しい戦略や製品紹介などがある。もう少し開示を改善してもよいだろう。

 

 説明会は初参加だが、NRI時代に何度かINPUTはある。むしろ、半導体工場見学では、後工程で必ず装置は見ることができ、その方が接点は多い。バイサイド時代にも説明会に参加したかったが、時間が合わなかった。今回は、また、久しぶりの黒字であり、この会社が変わったのか、半導体製造装置バブルなのか、あるいは後工程に変化が起きているのか、に関心があった。

 

ボンダ専業、国内工場中心で輸出80%だが無借金、8期連続赤字

 

半導体後工程、特にメモリ系中心に、ボンダ等で大手であり、日本の総合電機メーカー向けに強く、90年代はシリコンサイクル、特にDRAMサイクルで業績が振れていた。ITバブルの2000年度に最高益OP111億円、NP55億円を達成した後は厳しく、日本のDRAM凋落、エルピーダ破綻もあり、特にリーマンショック後の2008年度から2015年度まで8期連続営業赤字であった。

 

今期業績

 

上期は売上60億円、OP赤字5億円、NP赤字10億円、通期は売上168173億円、OP4.94.1億円、NP2.41億円。為替前提105円。R&D15億円、次世代のハイエンドフリップチップ、Capex35億円、タイ工場量産化は一巡だが、IT化で、検査工程自動化、ペーパレス化。

 

1Qは後半からメモリ市況回復、低迷していた受注が急増、加えてクルマ関連も増え、7月に昨年秋のピークを超えた。受注は4Q7億円から1Q30億円、2Q54億円だが、7月から9月は同水準、10月も強い。1~3月納期のものも入り始め、韓国は中国工場稼働もあり強い。

 

経営概要

 

 製品別は、ワイヤボンダが60%強、ダイボンダ20%、フリップチップ5%強、中古15%弱。ダイボンダはNAND系、フリップチップはハイエンド。

 

商品戦略

 

 今後の注力は、①高密度SIP・モジュール化対応であり、フレキシブルボンダ強化、②フルオートオペレーション、スマートボンディングソリューション、である。

 

興味深い戦略、オープンイノベーション、プラットフォーム

 

ボンダ―メーカーではなく、ボンディング技術を供給、オープンイノベーションで、ユーザーや材料メーカー、前後の工程の装置メーカー、ディスコ等とコラボ、また、これをAIやビッグデータを活用、工程間をネットワークで結ぶというのは興味深い。