2016年11月29日 企業業績をアルファとベータで分解して評価する試み

 

運用の世界でアルファ(以下、α)とベータ(以下、β)といえば、全社は、マーケット動向に左右されないリターン、後者はマーケット動向に連動するリターンを指す。

 

 これは、業績でも、同様に考えられ、αは、景気に左右されない企業独自の業績、βは、景気に連動する業績と分解、あるいは運用に倣って、見做すことができる。

 

 さらに、αを、企業のポートフォリオによる部分、言い換えれば、M&Aなどによる効果と、それぞれのポートフォリオの中身、もっと企業の独自性による部分に分解できて、前者をα1、後者をα2とする。また、βも、マクロ景気に使い部分と、個別産業、必ずしも全体の景気と連動しない部分、例えば、半導体産業とかOLED産業とかがあり、前者をβ1、後者をβ2、と呼びたい。

 

  電機精密業界では、α1はだいぶマシになってきたが、α2効果が大きく、β1、β2の依存がすくない例を見出すのは容易でない。それは、サービス業や、中堅以下の会社に多いのであろう。その代表例は、今はコア事業をリクルートに売却したが、人材派遣のスタッフサービスである。起業は高度成長が終わった80年代、人材派遣という事業を創造し、独自のビジネスモデルで急成長した。ただ、こういう新産業の場合は、規制政策が大きな壁になった。これは、今も、ドローンや自動運転、電子マネーなどで、同様だろう。

 

 

 

 台湾には、α2で、技術よりは、ビジネスモデルだが、独自性のある会社が多い。まさに、生物進化論の多様性を見るようであり、楽しい。

このアプローチは始まったばかりであり、各社の経営者と議論させて頂きつつ、客観性を改善、定量化を目指し、運用でのα、βとの関連も探りたい。

 

おそらく、業績のα、βは、先行研究もあろうが、αの中のα1とα2の分離が難しいだろう。そこで、方法論として、考えているのは経営重心®であり、いい応用になると思っている。