2017年1月19日 東芝の原発関連損失は5000億円強か、政策投資銀行に資本支援要請との報道

 

日経新聞報道によると、東芝の米原子力事業で発生する損失、最大で5000億円超の可能性があり、2017年3月期の連結決算に反映する損失額は算定中だが、最終赤字は避けられず、自己資本が大きく毀損する見通しのため、政策投資銀行に資本支援を要請した模様。http://www.nikkei.com/article/DGXLASGD18HB2_Y7A110C1MM8000/?n_cid=SPTMG002

 

損失額は上限、DESも含め多様なスキームが出るだろう

 

もともと10005000億円の損失という報道があったので、そのレンジの上限である。ただ、実際は、役員会や監査もあり流動的だろう。

 

報道では、政策投資銀行への支援要請とあるが、加えて、DESも検討だろう。半導体分社の出資候補のメーカーの背後にいるファンド等から、様々なスキームも出てこよう。そこがオークションの条件になるかもしれない。INCJは資金余裕がなく、DBJは日英原発でも関与しているので妥当だろう。

 

日経報道では、WD・サンディスクだけでなく、他の候補にも言及しており、オークションの結果、数社からの出資でバランスをとるだろう。独禁法でのシェアが課題とあるが、もともとNANDでは、サンディスクと一体運営であり、40%でも問題はなかろうし、60%以上となり問題と指摘があるHDDは、分社には含まれていないだろう。

 

原発の責任と社外役員のガバナンス

 

原発は、FACTA最新号でも指摘された通り、国の責任も問われ、WH等のフィナンシャルアドバイザーのDDも問題だろう。ポートフォリオが原発と半導体の二本柱が課題という指摘はその通りであり、リスク・リターン特性があまりに異なる事業を抱えるのは経営重心®分析でも難しい。ポートフォリオの安定化にはならない。