東芝が、メモリ売却に向け、入札手続きを開始したようだ。その中で、巷の日本のニュースでは、東芝メモリへの出資を巡って、シャープを買収した鴻海が話題になっている。
賑やかな候補先
台湾の報道では、既に以前から、出ている、WD、ハイニックス、また、鴻海に加え、アップル、紫光集団、TSMC、マイクロソフト、インテル、デル、HPの他、レノボ、ファーウェイ、サーバー大手のInspur(浪潮)等の大手が、投資ファンドを通じる形を取って間接的に買収に加わると指摘しているようだ。
台湾水平分業モデル限界、EMS鴻海はシャープを、ファウンドリのTSMCは東芝が欲しい
その中で、大本命となるかもしれないTSMCが東芝メモリ買収に参与すると、現地の報道が伝えている。
TSMCの4つの問題を解決
さらに言うと、長期でTSMCの重要課題である、①非ノイマン対応、②ムーアの壁対応、③地政学リスク、④サムスン対抗を解決できる。そして、もちろんサムスン対抗は、台湾にとっても重要だ。
半導体業界の天下統一
かりに、TSMCが東芝メモリを買収すると、サムスンだけでなく、インテルなども大きな影響となる。関係するマイクロンにも波及する。紫光との提携も変わるだろう。ここ数年、半導体業界は買収や合従連衡が相次ぎ、戦国時代後期から、この買収で、一気に天下統一の如き状況になってくるだろう。中国のXMCなど半導体産業育成の中期計画も影響してこよう。
業界構造も、単純なファブレス・ファウンドリモデル、ロジックとメモリという区分ではなく、かなり総合化、多様化していこう。
もちろん、SPEやウェハーなども大きな余波を受け、再度、合従連衡や再編が進むかもしれない。