2017年3月14日 東芝の決算延期とシステムプロジェクト志向の弱さ

 

東芝が本日発表予定だった決算を再延期するとの報道が昨日から相次いでいる。10時時点で、まだ正式にIRからの開示はないが、その背景などの説明会はなされるとの見方もある。もし、再延期なら、2度、2回目で、計4回。他社では、電機業界で船井電機などの例もある。当局が再延期を認めない場合は、27日に上場廃止になるが、承認された。

 

監査法人のPWCなどが、WHに対する内部統制について疑義、WH内での内部通報に関する調査が終わらない、等、いろいろ理由があるだろうが、WHを破綻処理させるかどうかで、米政府などのプレッシャの反映もあるだろう。

 

システムプロジェクト志向が弱い体質

 

今回の決算遅延もそうだが、30年の印象の中で、東芝は、見通しが甘い、という社風・体質があるように思う。

 

SIerは、システムプロジェクトに不断の努力

 

システムプロジェクトでは、工期や人などのリソース、調達などを、リスクも含め見極め、計画する能力が必要であり、かなりの経験を積まないといけない。

 

かつてはシステム志向もあったが、この10-20年で減った

 

過去、府中工場の制御部隊など、東芝にはシステムに強い経営者はいたが、この10年は、デバイスやハードは強いが、そういう経営者が少ないような印象を持つ。

 

WHのプロジェクトのコスト試算

 

さて、WHのコストアップを既出情報から推定すると、以下のようではないか。既に、減損分も含め、追加コスト次第だが、やはり、早期にWH売却、あるいはチャプター11しかないように思う。