東芝は一旦、WD・KKR陣営に決めたが、条件が折り合わない中で、ベイン・ハイニクス陣営の新しい提案を出し、鴻海も含め、再検討することを役員会で決議したようだ。二転三転は、ミッドウェー海戦の悲劇の愚の繰り返しであい、経産省も同意したWD選択でいくべきだ。
ここに至っては、交渉術ではなく、同じ船に乗っているという現実の再確認の中で、トップ同士の信頼と決断だろう。その上で、今後のシナリオについて記したい。
債務超過はもう一歩
2016年度のB/Sは、債務超過が5529億円(純資産では2757億円)、2017年度の会社予想では2017年度末の債務超過は約4100億円、純資産ベースでは1900億円だ。現時点では、①下期の見通しが慎重なことに加え、②リストラ費用を数百億円織り込み、③WH親会社補償支払いで税支払い数百億円を相殺できるが織り込んでいない、④資産売却益も織り込んでいない、ことから、債務超過が、自己資本ベースで2000億円程度、純資産ベースではゼロになる可能性も出てきた。
INCJとDBJその他でギリギリセーフ、あとをどうするか?
そこで、より安全にするための残りの数千億円を、WD勢のKKRか、ハイニクス派のベインか、鴻海か、ということなのである。
二段階で売却か
つまり、二段階作戦でいく。
債務超過回避はいざとなれば算段はある
そして、メインバンクや投資家は反対であり、東芝も考えて居ないことは、説明会でも確認しているが、第三者割当増資をしなくとも、数千億円のDESでもすれば、債務超過にはならない。
NAND市況と売却問題が相互に影響しあう
データセンター向けSSD需要が急増、スマホを大きく超えている。
WD側の本音はライバルが加わらなければいい
WD側は、本音は、絶対にINCJやKKRなどが、ライバルのメモリメーカーに売らないならば、出資には拘らないだろうし、アップルが、WDの影響が強くなると供給不安が高まることも理解している。
今後のシナリオ
8月31日に、BSジャパンの「プラス10」にスタジオ出演して、今後のシナリオについて、①WDで決着60%、②時間切れ30%、③その他、と発言した。