鴻海の4つのリスク

 

シャープの危機を救い、成長してきた鴻海が、ここに来て、大きなリスクに直面している。もちろん、会社側も十二分に認識、グループ再編を始めているが、安心できない。鴻海は、世界の自由な貿易、資金の循環が、とめどもなく流れている場合は、大きく伸びるが、モノとカネの血流が滞ると厳しい。

 

 鴻海の連結業績は、IFRS2012年以降なので、それ以前は連続性がない。2012年以降では売上横這い、2016年は初の減収。OPはやや改善しているが薄利多売、GPは横這い。回転率は悪化している。

 

 

第一は、米トランプ政権のスーパー301条など米中貿易摩擦だ。世界で保護主義、貿易摩擦が激しくなれば、鴻海の中国工場などは厳しくなる。トランプ政権発足当時に、米工場も発表したが、それも無駄になるかもしれない。

 

第二は、これまでも指摘してきたアップル依存度の大きさであり、EMSの限界だ。足元のスマホの厳しさも、拍車をかける。

 

 第三は、テリーゴー氏の年齢と後継者だ。グループ再編の中での次世代の経営者育成が注目される。

 

 第四は、金融引き締めだ。元々、薄利多売ゆえ、金利が上がると厳しい。米中関係引き締めでマネーフローがあると大変だろう。

 これらの対策は、ブランド戦略、シャープの活用だろう。