東芝メモリ売却へ〜中国独禁当局承認へ

 

 517日の夜、複数のマスコミが、中国独禁当局が承認と報じた。ベイン関係者に通達があったようだ。東芝もIR開示で、61日付で売却とした。http://www.toshiba.co.jp/about/ir/jp/news/20180517_1.pdf

 

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO30645250X10C18A5MM8000/?nf=1

 

 まずは、一段落であり、喜ばしい。株主総会などはあるが、次はトップの人事などが重要だ。IPOもいいが、その前に、強力なリーダーシップの下で、サムスンとの差を埋めないといけない。

 

 米中摩擦で様子見だったが、中東情勢も変化してきたし、そろそろ、手打ちだろう。また、これ以上、サムスンの独走を許すのは、中国にとって、半導体産業においても、レノボやファーウェイなどユーザーにとってもプラスではない。ベインのスキームは不明朗なところがあり、ハイニクスへ売られるのではとの懸念はあろうが、ハイニクスは、DRAMは強いが、NANDは弱い上、そこは、日本政府なりがガードするだろう。

 

42日時点のブログで記載の通りだ。「長引く、無理だろう、もともと期限切れで東芝本体に戻す」その他、様々な憶測がある。しかし、実態は、3月上旬の段階では、ほぼ問題なく進んでいたようだ。独禁法では、巨大ユーザーの理解重要だが、ファーウェイやレノボなども、関係者の努力もあり、合意していたようだ。では、なぜ、遅れたかというと、ここにきての、米トランプ政権のスーパー301条発動など貿易戦争開始と中国の対立である。その中で、米も関係する東芝メモリの独禁法承認は、格好の取引材料になる。そこが今後の見通しの鍵にもなる。トランプ政権の狙いは、中間選挙であり、国民が夏季休暇にはいる6月末までが勝負だ。6月が東芝の株主総会、7月がベインの売却解除権もあり、微妙なタイミングではある。https://www.circle-cross.com/2018/04/02/なぜ中国独禁法承認が遅れたか-今後の見通し/

 

 足元は、OPM40%と高いが、Depが売上高比で5%程度という低さであり、微細化、3D化が遅れ、目先利益優先だったことの裏返しだ。これまでは最低でも15%はあったが、どんどん進めるべきだろう。