日立の英国原発事業中断の説明会

 

11719時より、英国原発事業中断に関する投資家アナリスト、マスコミ合同の説明会、HPよりリアルタイムで参加したが、質疑応答の後半1945分頃、機械トラブルで中断。説明は東原社長の他、西野副社長、西山CFOなどが参加。東原社長が簡単に数分の説明の後、質疑多数。前日のリーク記事の通りでもありhttps://www.circle-cross.com/2019/01/12/日立-英国原発撤退へ-英断/、サプライズはなかったが、むしろ、今回の決断を支持する意見が多い印象であり、同感だ。改めて評価したい。

 

業績下方修正

 

 業績は、売上9.4兆円で不変だが、特損計上3000億円で、実態OP7500億円は不変、EBIT75004500億円、NP53002300億円へ下方修正。3000億円の内訳は、2012年のホライズン買収の889億円を含む2018年度までの累積投資の2800億円と今後のメンテ補修など200億円の合計。

 

取締役会の決議として撤退

 

 東原社長は、コメントで、これ以上は伸ばせない、民間としての限界がある、英国政府に、①民間企業として一定の収益を確保するための買い取り価格も含めたビジネスモデル提案、②ホライズンのオフバランス、③これ以上の投資は不可能、という条件で、交渉、難しかったとコメント。なお、一部報道にあった2兆円の安全コストが3兆円になるという試算は見積もり中だとした。文言では、「凍結」であるが、この意味は、これ以上投資できないということだが、英国政府が交渉先であり、それを終えて、完全撤退などになるが実態はそうであるようだ。再開の可能性など相当大きなコストがかかり無理だと強調。ただ、ABB買収なども含め、自然エネルギーなど、エネルギー事業としては、引き続き英国でも頑張っていくとした。さらに、今回のBrexitとは関係ないと強調した。

 

包括設計審査とビジネスモデル

 

 もっと早く中断すべきだったのではないか、との指摘は、2012-2013年は順調であり、会社の方針として、技術力を示す上でも、包括設計審査(GDA)はパスし、世界でトップ水準の技術を保有することが証明された。その上で、ビジネスモデルを詰めるというものだったとした。2017年にGDAを取り、そこで初めて、これまでの開発などを資産計上となる。そこからは、マイルストーン毎に、デッドラインを決め、その都度、判断するというふうに進めており、ガバナンスは効いていた。

 

残された問題

 日本全体の原子力の技術維持などについては、国内は、再稼働や廃炉などは継続で、大きな作業量はあるが、発電の技術者の問題は大きいとした。