INCJの総決算

 

JDIや、東芝メモリに関して、報道では、INCJが積極的には関与しないようだ。JDIでは、既存債権を優先株に切り替え、新規の投融資はしないようだ。東芝メモリもDBJによる投資はするが、INCJは更なる投融資はないとの報道、ただ指図権は不明。いずれも、日経報道などであり、真偽は不明であり、政治情勢その他で変わる可能性もあるが、INCJによる新規投資はせず、その役目は、JICで行うということなのだろうが、JICの行方も役員辞任など混沌としている。

 

 その意味では、官民ファンドの総括は、マスコミも含め、将来されるだろうが、経産省では、第三者や有識者の意見などを纏めている。https://www.meti.go.jp/shingikai/economy/jic/20190326_report.html

 

 財務省でも、財投のあり方の中で有識者の意見があるが、官民ファンドについては慎重な意見が多いようだ。https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_filp/proceedings/outline/zaitoa300531.htm

 

行きはよいよい帰りはこわい

 

前から、コメントしている通り、INCJは、開設時においては、スキーム等問題はあったが、志高く、意義もあったが、途中から、政治等とのはざまもあり、役割や性格が変わって、総合電機の問題事業再生機構、東芝支援再生機構の役割が大きくなった。しかし、それでも、なお、やりようはあった。エルピーダは、数百億円のリスクをとれば、数兆円のリターンがあり、日本の半導体業界もまた変わった。JDIは、INCJの成果を急ぎ過ぎ、デューデリが厚化粧であり、それが、現在に至る大きな原因となっている。トップの人事が問題であった。ルネサスも、大きな方向性はいいとしても、個別で問題がある。他の幾つかの案件では、民間企業が泣いている。表面的な数字上の帳尻合わせでなく、実態を見るべきだろう。

 

官民のあり方

 少子高齢化、AI時代の中で、今後、役所の人口ピラミッド、人財の生かし方が変わってこよう。