メモリアーキテクチャについて考える

 

 DRAMNANDの需給を考える上で、中長期でもっと重要なのは、メモリアーキテクチャである。NANDが登場した1980年代より、メインフレームであれ、PCであれ、ノイマン型アーキテクチャの中でのWintelアーキテクチャによって、スピードとビットコストにより、下図左のようなピラミッド構造のメモリアーキテクチャであった。この中でストレージが不揮発メモリであり、磁気テープから磁気ディスク(FDDHDD)、これをフラッシュメモリ(NAND)が代替してきた。ビットコストを縦軸、スピードを横軸にすると、下図右のような位置づけとなる。

 

SCM

 

 半導体技術が発展、またメモリが巨大化すると、メインメモリとストレージの間が目立つようになり、2000年頃から、ストレージクラスメモリ(SCM)の必要性が指摘された。

 

 

そこで、MRAMSTT-RAMをはじめ、様々な不揮発RAM(フラッシュメモリはあくまでコスト優先でランダムアクセスができないROM)が提案されたが、コスト等で問題があった。近年ようやく、インテルとマイクロンから、3DクロスポイントがSCMとして、市場投入されたが、なお、DRAMに比べては遅く、NANDよりはコストが高すぎる。

 

 

NOR復活か

 

 中長期の話でなくても、面白いのは、ADAS化で、車載向けのメモリアーキテクチャであり、ここでは、NORフラッシュの需要が底堅い。これまでも、データ保存はNANDだが、プログラム保存はNORであった。スマホやデータセンターでは、フラッシュメモリの戦いは、より巨大容量で低コストのNANDの勝利となったが、クルマ向けでは、NORはスピードの速さや、耐熱性で、256Mbなどの需要が底堅いようだ。https://www.nikkei.com/article/DGKKZO48056700R00C19A8QM8000/?n_cid=SPTMG053