企業訪問インタビューと議論、アートとサイエンス

 

日経新聞 野中郁次郎先生の私の履歴書 が好評だ。私自身も高校か大学時代に、「失敗の本質」を読み、大いに感銘を受けて以来、ファンであり、経営学者の端くれとして、知り合いの名前も登場して、興味深い。最近では、24日と26日が非常に感銘を受け、「わが意を得たり」と思った。

 

 26日は、企業訪問であり、最近は説明会参加程度だが、かつては、年間800回、一回1時間半だった。野中先生は1-2時間で、記録係がいる。https://www.nikkei.com/article/DGXKZO50185050V20C19A9BC8000/

 

まさに、野中先生の言う通り、企業を訪問、現場を見て、経営者などに会って聞かないと空理空論で終わってしまう。経営重心も、過去、のべ累計1万以上、1万時間におよぶ、ヒヤリングと実証の結果だ。やや違うと持ったのは、こちらの場合は、野村総研の伝統かもしれないが、ヒヤリングだけでなく、むしろ、双方向の議論をすることであり、ホワイトボードや紙に書いて、その過程で、先方も含め、お互いアイデアが浮び、共同作業的なことだろう。これは、他社やマスコミ、アカデミック、等でも理解されなかった。

 

 24日は、最近の経営学であり、野中先生曰く、「私は『経営学はアート・アンド・サイエンスである』と唱えてきた。アートとは実践を意味している。経済学などに比べると短い歴史の中で、経営学では様々な理論が生まれてきたが、現実に応用できなければ意味がない。また、最近は経営学の論文が数値を使った計量分析に偏り、アートの側面が忘れられがちだ。純粋なサイエンスを目指そうとするあまり、経営学の本質を見失っている気がしてならない。https://www.nikkei.com/article/DGXKZO50035800Q9A920C1BC8000/

 論文は、統計で検定し、相関性を語った方が、通りやすい。