3月の憂鬱

 

コロナウィルスの影響で色々な行事が自粛ムードとなった。卒業式や謝恩会も中止、出張や講演も延期、入学式もどうなるか分からない、少し暖かくなったのに、花見もできない。TVでは、毎日、感染者数を報道し、株式市場は乱高下、店には在庫がなく、街行く人も、電車でも、顔をマスクでとスマホで隠し、静かだ。憂鬱で不安な3月だ。

 

これは、デジャヴだと思ったら、9年前の3.11の後だ。余震が収まらず、原発は不気味で、街には、モノ不足、株式市場は乱高下(ストップ安後の315日に日経平均は8605円、その後、一旦は反発したが、年末8455)。思えば、いつも、3月は憂鬱で不安な時と、浮かれ気分のどちらかだ。

 

あの時は、フクシマはじめ東北の人々の心や行動に胸を打たれ、世界の人々も、さすが日本人と見直したが、むしろ、今回は、自分勝手な行動、見えない危機に、平和ボケの反応に呆れる。

 

あれから、株式市場は3倍近くになったが、JETROベースでは、名目GDP481兆円(6.2兆ドル)から、2018年は549兆円(4.9兆ドル)とほぼ横ばい(為替レートが変化、円では成長だがドルでは下がった)。リーマンショック後、始まった日銀ETF買いは続き、今や28兆円をこえた(右図はみずほ総研20191)。日銀のB/S2011年末の143兆円から573兆円(国債77兆円から481兆円)だ。株が上がったのではなく、日銀券の価値が下がったのだ。この金バラマキで、日本人の心も変わってしまったのか。