三菱電機Web中計説明会~水面下の何かの軋みへの対応は大丈夫か

 

三菱電機の杉山社長による経営戦略説明が6113時にWeb配信、15時半からテレコンでの質疑応答。さる511日では示されなかったコロナ影響OP1350億円のセグメント別内訳がポイント。

 

 コロナ影響は、売上4400億円、OP-1350億円の中で、重電が売上400億円、OP90億円、以下同順に、産メカ、2500億円、670億円、情通、100億円、20億円、デバイス300億円、100億円、家電が1100億円、420億円、であり、産メカ、家電が大きい。

 

 コロナ影響とはいえ、2014年度に掲げた2020年度中計目標の売上5兆円、Opm8%以上が未達になる理由につき、交通や空調関連の利益計画はほぼ達成だが、産メカのFA、自動車機器の利益が未達であり、固定費構造が重いとした。

 

 2025年度ターゲットの中計に向け、ソリューション事業強化と、ポートフォリオ見直を行い、経営基盤強化では、ライフ、インダストリー、インフラ、モビリティの4分野のR&Dを時間軸バランスよく行い、事業モデル変革では、社長直轄のビジネスイノベーション本部を新設、スタートアップへ100億円投資、統合IoTを構築、などを紹介。また、ESGや委員会等設置会社移行を紹介。

 

過去20年以上、電機業界が、大きくポートフォリオやセグメント、組織構造やR&D体制を変える中で、三菱電機のポートフォリオ、セグメントは、90年代後半に、半導体や液晶、PC等から撤退した後は、ジャパンストライクゾーンの中で、ほぼ同一であり、相対的に好調であり、業績を拡大してきた。他社は、一言でいえば、PFに沿ったレイヤー型の組織構造へ転換、中研解体であり、今回、同社も同様の動きの可能性もあろう。しかし、今回の業績不振は、コロナ影響であり、構造的な問題ではないと考える。その意味で、横並び的な「改革」であれば、同社の良さも失うだろう。また、事業部門が強い同社では、組織構造を大きく変えることは難しく、ガバナンス体制を変える位ではダメだろう。