日本がDX弱いのは総括をしない文化ゆえ~過去を定量化客観化して検証

今回のコロナ感染でも改めて、政府の対応やマイナンバーカードの混乱など、日本のITの弱さ、DXの難しさを再確認した方も多いだろう。これは、日本の過去を総括・検証しない文化と多いに関係しているのではないか。

 日本が過去、特に失敗、問題に関し、総括しないのは、最近では、専門家会議の議事録無し、その他、多くの役所での議事録不明。太平洋戦争でも貴重な資料は敗戦と同時に燃やされた。責任者を追及しない宗教的な心情や組織防衛本能があるのだろうが、公文書をきちんと残し、後世の検証に備え、失敗から学ぶ米国と大きな違いだ。今回のコロナ問題でも、クルーズ船、第一波など、検証すべきデータもあり、総括すれば、今の感染者の再増加にも備えられたのに、何も学びがない。

 これは、アナリスト活動でも、同様で中長期で業績を見てくれという企業が、過去5年分のデータしか公開されていなかったりする。HPの沿革もいいことしか記述がない。統合レポートも明るい未来のフワフワした話はあるが、過去の総括、あるいは総括のためのデータが無いのだ。DXには過去のデータが必要で、総括が不可欠なのだ。

日経が、RODという概念を紹介し、企業に眠るデータの利活用こそが必要だと説いているが、全く同感だ。https://www.nikkei.com/article/DGXMZO61138850T00C20A7MM8000/

 

 しかし、その前に、過去を総括しない、古いデータや文書を残さない、という文化を変えないと、永久にDXなど無理だろう。