経新聞経済教室の「やさしい経済学」で8月19日から、中川功一阪大准教授による不易流行の経営学という連載が始まっている。https://www.nikkei.com/article/DGXMZO62757630Y0A810C2SHE000/
第1回は、「変化し続ける『普遍』」として、「早稲田大学の入山章栄教授の「世界標準の経営理論」が関心を集めています。実はこの本を巡って、学会ではちょっとした議論が起きています。標準の経営理論というものが存在するのか、ということです・・中略・・私の意見は、標準理論は決して存在しないというものです。・・・中略・・経営は標準理論の通りには収斂(しゅうれん)しないのです。」と記している。
入山教授は、同書で、MBAに関し批判、「多くのMBAの教科書は、フレームワークと理論がごちゃ混ぜで、Why?に答えないと理論でない」と述べているようなので、分厚い本だが購入して、眺めたが、中身は、結論は同意である。すなわち、経営理論もフレームワークも境界条件が重要で、丸暗記してもダメということである。
要は、経済学、社会学、心理学のみである。MOTの分析は、もっと幅広く、理工学や医学、歴史学も含め総合的であり、上記の表にアナリストの分析手法も含め比較している。
フレームワークと理論、そしてケーススタディ
下記に、経営理論(一般解)と、フレームワーク、ケーススタディの関係を考察して図示した。現実社会は、ドロドロしたものであり、些末な話もあり運も大きい。
理工学と経営学~経営理論(しょせんは仮説)の丸暗記でなく、経営理論を作る能力
理工学の理論は、普遍性が多く、過去の理論に上に重層的に新理論が生まれ、過去が否定されることは少ない。しかし、経営理論は不易流行があり、過去が否定され、新理論が流行る。それゆえ、経営理論を暗記するのではなく、自らの経営理論を「作る」ことが重要であり、それによって、事象を理解することができる。それは、必ずしも、普遍的な一般解ではなく、個別解でも十分である。
実践に、AI時代に必要なのは問題発見能力
普遍的一般解であれ特別解であれ、重要なのは、問題発見能力である。