アンケートの限界と使い方~経営学の分析手法

世界標準の経営理論について書かれた入山教授の著書の分析手法に、統計分析手法として、アーカイバイアルデータ、アンケート、心理実験、メタアナリシスとあり、アンケートを重視している。

 以前にアンケートに関して、2018/09/23に、「アンケート-取材-説明会」として、書いたが、再度、記したい。https://www.circle-cross.com/2018/09/23/%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%82%B1%E3%83%BC%E3%83%88-%E5%8F%96%E6%9D%90-%E8%AA%AC%E6%98%8E%E4%BC%9A/

要は、アンケートには二種類あり、①Nが大きい世論調査のようなもの、②Nが小さく、主として経営者や専門家、限られた集団に聞くもので、ヒヤリングでもできるが、実施するもの(その中間もあり)がある。このうち、①は適切な問いがあれば、発見もあり、統計処理でいろいろ分かるだろう。

しかし、②は大いに疑問であり、真実が反映されるか不明である。数値など明確に客観的な事実を聞く場合は別にして、アンケート項目に入らない場合が多く、意見などは、社長アンケートと言ってもまず、社長は答えないし、授業アンケートでも、忖度もある。

 アンケートに限らず、インタビューで初対面の相手に意見を聞こうとしても、それで本音がわかるかであり、就職でも恋愛でも、もちろんビジネスでも結果が全てであろう。

 

アンケートで新たな真実がわかるわけでもなく、その使い方は、既に、過去の膨大な面談や対話、関係性、①のカテゴリーのアンケートも含め、ある程度、目星はついている場合に、論文やレポートとしての客観性を担保するために、論理補強のためであろう。