コロナ禍の中、米中は新冷戦から戦争状態間近~第三の道はなく、旗幟を鮮明

コロナ禍のニュースで注目度はそれほど高くないが、米中の緊張が更に高まっている。米国は、724日に双方の領事館を閉めた。既に、米海軍は、南シナ海で、2隻の原子力空母、ロナルド・レーガンとニミッツが、軍事演習を行っており、異常な緊張状態だ。中印の6月中旬の国境紛争も、軍隊同士の衝突であった。香港も危険な状態が加速化しており、日本政府は金融機関の脱出受入れも用意しているという。

 ここに至っては、貿易摩擦やハイテク覇権争いというレベルではなく、一発触発の状態である。こういう状況下では、米国民は中国を敵視し、コロナ問題も含め、習近平政権下の中国は世界の禍の元であり、断固戦うべきとの認識だそうだ。米はニクソン以来の、この50年近い対中政策を完全に変えたのかもしれない。70年代以降は日本も、日中国交正常化の中で中国展開を進め、民間ベースでは強固な関係も構築されたが、もう半世紀であり、政治の流れは変わるのかもしれない。

これまでは、ファーウェイ問題も含め日米摩擦の延長線で考えていたが、そんな甘い話ではなくなってきている。

日本も脱中国サプライチェーン構築

日本も政府が、中国に依存しないサプライチェーンを築き始めている。5Gを巡るNTTNECの提携などの動きはそうであり、これに政府ファンドが関係する可能性もあろう。この中で、シークレットパテント(秘密特許)の導入の可能性もある。秘密特許制度とは、安全保障の観点から、軍事転用できる技術は出願しても情報を公開しない制度である。こうした制度が存在しないのは、G20でも日本とメキシコだけだそうだ。その場合、特許収入などで出願人は不利益を被るため、国から一定の補償を受ける。https://www.nikkei.com/article/DGXMZO57580440S0A400C2000000/

 

とりあえず米サプライチェーンに入るなり旗幟を鮮明に

これまでは、日本独自の第三の道、あるいは、米中対立の中で、うまく立ち回れる可能性を考えてきたが、難しそうで、早期に、米側につき、旗幟を鮮明した方がいいかもしれない。そこでは、実は冷戦や朝鮮戦争で、経済的にはメリットがあったように、米中対立で、電機など国内企業に大きな恩恵があるかもしれない。