理系と文系そして実業と虚業のカベ

これまで、シンクタンク、アナリスト、ファンドマネージャー等の仕事を通じて、固有周期・時定数的なレスポンス、タイムラグの問題を除いては、国内でも海外でも、あるいは外資においても、それほど、相手とのコミュニケーションに、悩んだことはなかった。それが、このアカデミックの世界の住人となりつつある中で、コミュニケーションの難しさを感じている。

 振り返ってみれば、アナリストやファンドマネージャーは、グローバルに業務が標準化されており、お互いが共通のフレームワークや理解の上で、コミュニケーションが成り立っていた。もちろん、いわゆる野村の文化、アナリストの職業人文化という中では価値観も同じベースがあり、やり易かった。

 あるいは、仕事の関係で、電機や半導体業界では、業界の方や、関係する役所の方とも、十分にコミュニケーションが成り立った(相手は不満を持っていたかもしれないが)。

 ところが、大学では、アカデミック一筋の教員、多様な実務系教員、さらに、広範なバックグラウンドの社会人学生がおり、共通のフレームワークも文化もない。特に、アカデミック系は本音を言わず、公家の社会のように何が真実か不明な世界でもある。さらに、日々の会話や議論の中で、同じ野村でも、アナリストやコンサル経験者でも、発想や価値観のフレームワークが異なるようだ。

 そこで、いわゆる理系文系(実験系か否かもある)、実業(製造業、非製造の差もある)虚業の象限で考える。