リニアモデル前提のステージゲート管理は再考を

 MOTR&Dマネジメントの授業を受け持って5年目になるが、予想以上に、ステージゲート管理を入れている企業が多く驚いた。

ステージゲートは、1980年代に、カナダのマクマスター大学のロバート・クーパー教授が創り、北米でベンチャー評価にも使われ、日本では90年代後半に広まったとされる。色々な問題点も指摘されているが、材料系やデバイス系などで広まっている。NEDOJSTなどでも導入され、進捗評価に必須となっている。真偽は不明だが、日本で広まったのは、NEDOでステージゲート管理を導入し、プロジェクト応募企業にも要請しているからではないだろうか。

 

 NEDOの技術審査も2年目となり、既に50以上に関わっており、公的基金を使い、複数の大規模なプロジェクトを推進する以上、不可欠である。シーズ中心のイノベーションでは、リニアモデルが多く、ステージゲート管理は相性がよいだろう。JSTNEDOはそうしたものが多い。ただ、リニアモデルでも、思わぬセレンディピティなどの効果もあり、それはステージゲート管理ではシーズを殺す。