MOTの新たな科目~科学技術論など

MOTでは、変化する社会ニーズに対応、社会人学生が近い将来、CXOや起業家としての活躍に役立つべく、常時、カリキュラムをアップデートしている。

 新MOT1.0から来年からの新MOT3.0の中で、名称変更や一部バージョンアップを除き、全く新たに生まれた科目は主なものだけでも、アドバンストリーダーシップ、価値創造、プロジェクトエクササイズ、ユーザーイノベーション、サブスクリプションモデル、実践ケーススタディ、フィンテック戦略、MOT入門、妄想ビジョナリー、科学技術基礎、科学技術論、科学技術産業政策、先端科学技術特別講義、標準化戦略、などがある。また、今年からは全科目を基本的に複数教員で教えることにしている。もちろん、新科目を作るには膨大な資料作成や会議などのプロセスがいり、かつ、その半数以上を、まずは、トップである自分が担当することから、負担も大変だが、おかげさまで、好評である。

 先週の「科学技術論」では、3名の教員が担当、AI、エネルギー、バイオについて、概要を専門が近い教員から概説後、技術視点はもちろん、経済性や倫理や哲学など広い視点から徹底議論するのだ。1時間弱で教員から説明、各班が翌週、それについて、1時間弱、発表、これを全員で、徹底議論する。理系が7割の社会人学生のMOTゆえ、AI研究所の人間やエネルギー、原子力の技術者もおり、深い議論が可能である。

 先々週の「MOT入門」では、社会課題である「引きこもり」、「空き家」などの問題を取り上げ、それをグループワークで、三因分析(新因、真因、深因)をした後、解決に向け、一般解と特別解に分け発表する。テクノロジーでどう解決するのか、関連する起業提案もある。また、そもそも、引きこもりは、悪いのか、引きこもりとリーダーシップや組織との関係を論じてくれた。

これらは、ある意味、正解がない問題だが、それを徹底的に議論することで、深く考え、多様な視点と、ディスカッションのスキルも学べる。もちろん、下手をすれば、居酒屋論議になるが、それは、zoomのチャット機能も活用、うまく、複数の教員により、ファシリテーションしながら、とりあえず収束させる。50人近い社会人のパネル討論会のようにする。教員だけの座学より、遥かに得る知見が大きいだろう。これは、開発チームなどのマネジメントにも有益だろう。