継ぎ接ぎ政策が癌~目的が別の政策を転用、次第にずれる

新たな目的達成のために、政府は法案をつくるが、通常、これが大変な作業であり、国会対応に加え、マスコミ対応、官僚の調整の労苦は凄まじいものがあるようだ。法案は本来、国会議員が作るものだろうが、田中角栄が断トツの30以上、その次が10程度であり、如何に大変かがわかる。さらに、当初は、処女地を行くが如くでいいが、だんだん、法案が増えてくると、既存の法案との干渉、整合性等も問題になってくるし、利害関係者は増えてくる。それゆえ、アリバイ的とは言わないが、客観性も担保するため、有識者会合を設け、そこでの議論を繰り返し、マスコミを通し世論にも訴え、法案を成立させ、予算をつけ、政策を実行していく。素人には難解な法律官僚文書であり、プロでないと作成できず、AIでは解読できないだろう。丁寧で客観的ではあるが、時間がかかり、無駄とは言わないが、労力もいる。役所ほどではないが、組織運営を真似ている大学も似たようなもので、膨大なアリバイ文書作成と調整プロセスに辟易としつつ、この時間感覚では世界に勝てる筈がない、VUCAの時代にはマッチしないと諦観しつつ、奮闘している。官僚もそうだろう。

 そういう中で、比較的、低コストでスピーディーにやる方法は、既にある政策や法律の転用である。もともと、そういうことを予期して、冗長性をもち、曖昧に、広めに作成されている法案もあり、本来の趣旨は違っても、はまる場合もあり、ある程度は有効である。