講演会での質問力

VUCAとシンギュラリティの時代に質問力の重要性が高まっている。質問力といっても、グラデュエーションペーパーでの問(Big Qなど)から、ゼミでの質問、個別指導、審査発表会から、個別の面談での質問、決算説明会や講演会、いろいろだ。初めての面会では、如何に気の利いた質問をするかが、会話だけでなく、その後のビジネス展開にも繋がる。質問の仕方や中身で、センスや見識だけでなく、人間性まで垣間見える。十分な下調べ準備をして、頭の中で、ストーリーを組立て、かつ、臨機応変に対処しなければならない。また、答えのある質問、答えの無い質問、知識を聞く質問、考え方を聞く質問、議論を盛り上げるための質問などいろいろだ。

 

ここでは、講演会や、授業でもゲストスピーカーを招いて、多数で聞く場合について、考えたい。よくある講演会では、1時間のスピーチに対して、せいぜい10~20分の質疑であり、これでは、内容の確認レベルであり、討論にはならない。講演を有意義なものにするのは、それをベースに討論してこそ、双方向の学びや相互理解になるため、MOTでは質疑1時間、討論・総括を1時間としている。いつも学生にお願い注意しているのは、①皆のためになる質問をする(個人だけの狭い関心、新製品の予定や機微な話など露骨な内容、自分の知識のひけらかしやアッピールの質問は不可)、②発展的議論に繋がる質問、③スピーカーにしか聞けない内容(他の方でも確認できる話やネット等で載っている話は不可)、④なるべく簡潔に行う(予めチャットに書いておき、それを見て貰う)、⑤仮説検証風にして、プレゼン資料について解釈や自分の考え(仮説)を述べ、それを確認する質問も良い、等である。