長期R&Dの複利効果

長期投資の複利効果については、投資運用の世界では常識だが、長期R&Dの複利効果を考えてみる。R&Dの適性水準と成長の相関については、何度も紹介しているが、下記の一定の相関がある。

 成長率=3.3(売上R&D比率-7.6%

 これは1年だが、20年では大きな差が出てくる。ここで、R&D比率が7.6%以下の会社J社と14.6%であるG社の、ある年の売上が1000億円として、20年後どうなるか計算してみる。なお、R&D比率の14.6%は半導体等では当然であり、むしろ低い位だ。

 J社は、切片以下なので、売上成長率には寄与せず、0成長であり、20年後も1000億円である。

 G社は、1年の成長率は、3.3×(14.6-7.6)、から23.1%となる。20年では、63倍、6.3兆円である。

 

 まさに複利効果であり、この20年の日本企業と海外テック企業の差そのものだ。