両利きの経営とイノベーションのジレンマの関係

オライリーの「両利きの経営」が大変人気のようだ。売れっ子の早稲田の入山教授などが勧めており、コンサルタントも利用しているようだ。この「理論」によると、クリステンセン「イノベーションのジレンマ」では、分けないと難しかった新規事業(探索事業)と既存事業(深耕事業)が、同時にできるそうであり、旭硝子や富士フイルムが成功例として取り上げられている。

 

何か腑に落ちず、熟読する気もないが、広島修道大の中園宏幸准教授が、同志社大学学術リポジトリに「両利きの曖昧さ : イノベーターのジレンマを解くほど器用か」で論考しており参考になる。 もともと、原著の「Ambidextrous Organizations」の「ambidexterity」は、二刀流などの意だが、両利きが定着した。中園氏によると、両利きが想定しているイノベーションと、ジレンマの想定しているイノベーションが異なり上、問題設定が曖昧なままに、その適用範囲を広げたという。同志社大学学術リポジトリ (nii.ac.jp)