チャットGPTなど生成AIが注目を浴びているが、我々の生産性をあげてくれるのだろうか。これに関連して、日経新聞に、東大渡辺安虎教授の興味深い論考を寄稿している。
海外の最近の論文では、ソフトウエア企業のカスタマーサポート部門に対し、ChatGPT導入効果を検証。生産性が平均14%上昇。その効果の大半は低スキルの人の生産性上昇によるもので、高スキルの人には効果はなかったそうだ。また、専門的な記事を書くライターにChatGPTを提供、影響を推定するフィールド実験で、生産性の低い人ほど改善効果が大きかった。渡辺安虎氏の、タクシードライバーの生産性に関する論文でも、AIの生産性上昇効果は低スキルの人に集中。つまり、共通するのは、低スキルの人ほど生産性が大きく上昇する点だ。これはAIが、スキルそのものの価値を低下させかねないことを意味する。これまでのインターネットやITは、高スキルの人の生産性をより高めたが、AIが仕事にもたらす影響は、逆である。ChatGPTが「底上げ」する生産性 渡辺安虎・東京大学教授 - 日本経済新聞 (nikkei.com)
そもそも、IT活用によって、生産性があがるかというと、日本のIT業界ではそうではない。人月制であり、生産性をあげると反って、時間が減り、給料が減るからだ。