上場の意味とエンゲージメント~透明性と即時性、手応えとヤリガイ

これまで、上場のメリットとして、資金調達、信用が高まる、知名度もあがり、人材採用が容易、などが挙げられきた。最近、アナリスト時代に担当し、フォローしてきた、東芝、日立国際電気、日本無線、新日本無線が非上場化する中で、これまで、アカデミアの論文などではあまり言及されてこなかった上場のメリットとして、エンゲージメント、モラルが大きいに気が付いた。上場会社のエンゲージメントというと、ストックオプションなど金銭面中心に語られてきたが、そうではない。

 

 大企業であれ、中堅中小であれ、上場することは、まさに公の存在として、マスコミやアナリスト投資家との対話が必要になる。経営の良し悪しや、社員が発明した新技術新製品の売行きで、株価も反応する。そこに、緊張感と、やりがいも生まれる。これまで、そうしたマスコミや投資家などとの対話は、コミュニケーションコスト増加として、マイナス面として語られることが多かったが、逆ではないか。