トランプ2.0のインパクトに関して日本にある意見に、「トランプだけの異常な考えであり、彼が引退すれば元の自由貿易に戻る、それゆえ、しばらく、のらりくらりと誤魔化しておけば何とかなる」というものがある。しかし、これは危険な楽観論であろう。
まず、認識しなければならないのは、自由貿易の幸せな時代は、歴史的にみれば、戦後のある期間、90年代の一時期だけであり、地域的には西側諸国だけの話であるとういうとだ。多くの経済学者はじめ多くの有識者は、この20-30年だけの僥倖を普遍的な真実のような大前提にしているが、もっと歴史を学ぶべきかもしれない。
それから、トランプを選んだのは米国民であり、今回は圧勝でもあり、米の民意でもあることを忘れてはならない。その背景には、米の格差拡大や白人の不満もある。そして、こうした傾向は、PCAST設立も含めオバマ時代からである。また、元々、戦前から米にはモンロー主義がある。その意味では、トランプの任期終了後も、こうした政治的な傾向は続き、その始まりかもしれないのだ。